国内石油製品=12月23~27日:陸上ガソリン、年末の整理売り広がる
年末で営業日が限られるなか、陸上ガソリンは残玉の整理商いが広がった。月後半に商機を見出していた中堅元売り玉取扱業者の売り込みが強く、千葉は総じて軟調。また、月前半で手持ち玉を整理したいと意気込んでいた民族系玉取扱い業者も全量消化は難しかったとされ、月末まで一部玉が市中に残った。元売り各社が最終週の系列仕切り価格を予想以上に引き下げたことも弱気を意識させている。
「2024年問題が想像以上に深刻」との声が複数の市場関係者から伝わっており、地方に限らず都市部でもローリー手配が難しく、届け対応の限界から蔵取り玉として値下げやむなしの卸業者も少なくなかったようだ。千葉は週間で0.35円安の134.8円、阪神は同0.25円安の135.25円。
補助金の約5円減額に合わせて仮需の台頭、ないしはその後の商機を見出すなど、これまでの平準化相場から卸業者間で久しぶりに相場観が分かれた。もっとも、25日に納会を迎えた東商取バージガソリン1月限は受け渡しがなく、これで26カ月連続のゼロ。中京ローリー1月限も受け渡しは500klにとどまるなど、先物市場は流動性が乏しいまま。両市場ともに期近、期先の各限月は同値と、補助金出口戦略の不透明感が価格に表れている。補助金が導入された2022年1月に納会を迎えた2月限はバージガソリンが5,600kl、中京ローリーガソリンは2,020klの受け渡しがあった。
年明け1月16日に再び補助金が大幅に減額されるが、その後の対応は未定のまま2024年を終えそうだ。年明け後、補助金の出口戦略がどのような形で示されるかで今後の相場観が大幅に変わってくるとみられる。