石油化学=3月24~28日:プロピレンが小幅安、買い気の後退で
【アロマティクス】
韓国積みのベンゼン相場は週半ばに大きく下落する場面がみられた。中国や米国向け輸出の需要が後退したことが背景。北東アジア着のパラキシレン(PX)相場は小幅強含み。需給が余剰感を強めるとの懸念が後退した。供給面ではPX設備の稼働率が高水準ではないほか、需要面ではポリエステルが需要期入り。米国の対中政策への警戒感は残るため、引き続き相場の基調が強まる様子は見られない。
【オレフィン】
北東アジア着のエチレンのスポット取引は4月品の商談が一巡しており静かとなった。中国で新規のエチレン設備の立ち上げが3~4月に相次ぐ見通しのなか、供給の潤沢感が強まるとの見方から、需要家はエチレン相場に先安期待を抱いている。東南アジア市場では、エチレンメーカー1社が2025年下半期に供給する長期供給契約を対象とした販売交渉を行っていると伝えられた。
北東アジア着のプロピレン相場は小幅弱含み。台湾にある残油流動接触分解装置(RFCC)が1基停止したことに伴う、台湾需要家によるプロピレンの買い付けが一巡した。これにより市場の買い気は弱まった。中国の華南の需要家がこのところの相場安を受けて買い付けに動いているが、相場を押し上げるほど強い買い意欲は示していないようだ。
北東アジア着のブタジエン市場は、商談が低調となった。すでに4月着の商談が一巡している一方、5月着の交渉を開始するには時期尚早感がある。また、中国では新規のブタジエン設備の立ち上げが予定されており、設備の稼働状況を確認したいとの意向からも市場関係者は様子見姿勢を取っている。東南アジアの市場では、複数のナフサクラッカーが停止していることから、売り物が限られている。