LPG=3月24~28日: 極東着の需給タイト感強まる
CFR極東:
先週の極東着市場は需給逼迫感を背景に上昇した。Rim Asia Indexは3月27日時点で、プロパンが627.75ドル、ブタンが617.75ドルといずれも3月21日比20.00ドル高。トレーダー勢や極東輸入業者、石化会社からの買い意欲が強まった一方、売り手は相場に上昇の余地があるとみて、スポット販売打診に動いていない。米国でブタン価格がプロパン価格を下回っていることから、極東輸入業者勢はターム玉において、プロパン単体からブタン付きカーゴの引き取りへと変更している。これもプロパンの供給引き締まりに寄与しているもよう。中国輸入1社は、買い付け入札を通じて5月前半着プロパン4万6,000トンを5月極東着市況対比20ドル台後半のプレミアムで調達した。この入札に対する参加者は少なく、5社未満だったという。
FOB中東:
4月CPはプロパンが615ドル、ブタンが605ドルと3月CPと同水準で確定した。サウジアラムコからの供給にタイト感があったため、CPはペーパー市場を上回って確定したとみられる。5月積みでは、一部の買い手がスポット購入を検討中だが、売り手はスポット販売を急いでいない様子。このなか、ファームな商談は伝えられなかった。商談が進んだ場合、5月積みプロパン/ブタン各2万2,000トンの成約可能な水準は5月CP対比10ドル台前半のディスカウントと、市場関係者は指摘した。
日本国内:
4月渡しの商談が始まった。陸上京浜のプロパンは98,000~99,000円と、3月から下落した。元売り各社が4月の仕切り価格を大幅に引き下げるとの見方が背景にある。もっとも、この水準でも積極的に買い進める業者は限られた。4月に入れば、さらに市況が下がるとみている買い手が多いためだ。一部元売りが3月に処分し切れなかった在庫を4月以降に持ち越されるとの見方があり、供給は潤沢との指摘も聞かれた。こうしたなか、市況を先取りする形で踏み込んだ水準で販売を決める動きも見受けられた。大手ディーラーの一角は、鹿島ターミナル出しでプロパンを95,000円台で販売したとの情報が伝えられた。