LPG=4月7~11日: 貿易摩擦で中国向け需要が大幅に減退
CFR極東:
先週の極東着市場は需要の減少を背景に暴落した。Rim Asia Indexは10日時点で、プロパンが526.25ドルと4日比57.00ドル安、ブタンが506.25 ドルと同67.00ドル安。米中間の貿易摩擦を背景に、中国向けの需要減退が弱材料視された。一方、CP予想上のプロパンとブタンの格差が拡大。これにより、プロパンの下げ幅はブタンのそれより小さかった。中国による米国からの輸入品に対する追加関税の対象とならない5月13日までの到着分に対し、中国プレーヤーによる買い付けが相次いだ。日本の元売り勢や韓国輸入業者勢が販売に応じたもよう。一方、5月後半着以降の商談では、日本着の売り手が増加しており、中国プレーヤーにも転売の動きがある。
FOB中東:
5月積みの買い気が強いようだ。一方、売り手はファームな唱えの提示を控えている。米中間の貿易摩擦を受け、中国プレーヤーは米国産カーゴの代わりに中東産カーゴの購入に動くと、市場関係者は指摘する。中東産プロパンの需給引き締まり観測から、CP予想上のプロパンとブタンの価格差は20ドルに拡大するとの見方が広がっており、5月CPはプロパンが565ドル前後、ブタンが545ドル前後で予想されている。
日本国内:
4月渡しの陸上京浜のプロパンは97,700~98,700円と、前週から1,450円下落した。月初は堅調とみられていた4月相場が急速に崩れた。背景には米中貿易摩擦の高まりがある。米トランプ政権が相互関税を課したことに対し、中国が米国からの全輸入品に対する報復関税を段階的に引き上げ、11日時点で125%に達した。米国産LPGの最大消費国である中国からの需要が消滅するとの観測から米モントベルビュー市況が暴落、5月CP予想もこれにつられて下方修正された。これにより5月の元売り仕切り価格が大幅に下落するとの観測が浮上、元売り勢が一斉にスポット販売に乗り出し、相場が強く下押された。大分基地では元売り1社が積極的に在庫処分を進め、最安値圏ではプロパンを97,000円まで売り込んだとの情報が伝えられた。