電力=4月7~11日:電力スポットは前週比で反落、春の陽気で需給に緩み
4月7~11日受け渡しの電力スポット価格24時間の週間平均は、東日本(50Hz)および西日本(60Hz)ともに前週から反落。全国的に本格的な春の陽気となり、需給の緩みが価格の下押し圧力となった。とくに東日本では、前週に関東で「寒の戻り」があり暖房需要が強まったため、その反動により価格の下げ幅も大きくなった。 東西の主要エリアである東京と関西の電力スポットの24時間平均の値差を見ると、7日が2.85円、8日が2.56円、9日が2.68円、10日が1.32円、11日が3.19円の東高西低となった。
4月第2週の燃料相場は下記のとおり。相互関税による世界的な景気後退観測が弱材料となり、いずれの燃料も下げた。 北東アジア市場のLNGスポットは下落。4月10日時点で期近の25年5月着品がmmBtuあたり11ドル台半ばとなり、前週末時点(4月4日)から1.3ドル程度の下落となった。期近物で12ドルを割り込んだのは24年7月以来。経済産業省が4月9日に公表した、4月6日時点の発電用LNGの在庫は213万トンとなり、前週から10万トンの取り崩しとなった。前年4月末時点の218万トン、過去5年平均の214万トンをいずれも下回った。 豪ニューキャッスル積みの一般炭相場は、4月10日時点の25年4月積みがトンあたり96ドル台前半となった。前週末時点から1ドル弱の下落。 原油相場は、4月11日午前時点でWTIの25年5月物がバレルあたり60ドル前後、ブレントの25年6月物が60ドル台前半の水準。前週末時点から、WTIおよびブレントともに2ドル程度の下落となった。
週を通じた実勢高値は、10日に東日本で付けた17.00円となった。一方、実勢安値は0.01円となり、7日が東北、四国、九州、システムプライス(SP)で、8日が四国と九州で、9日が北海道、東北、四国、九州、SPで、11日が四国と九州でそれぞれ付けた。 エリア別の24時間の週間平均は、北海道が前週比で3.61円安の11.13円、東北が同3.87円安の11.25円、東京が同3.11円安の12.55円、中部が同1.55円安高の10.24円、北陸が同1.39円安の10.24円、関西が同1.60円安の10.03円、中国が同1.18円安の10.03円、四国が同1.65円高の9.49円、九州が同1.31円安の8.70円だった。四国は本州との分断減少が強材料となった。 売買入札量の週間平均は、売り札が前週から7.3%増の11億2,839万5,850kWh、買い札が同5.9%減の8億7,530万9,530kWhとなった。約定量の週間平均は、同3.3%減の7億106万4,060kWhだった。
4月7~11日の9エリアの電力需要は、106億1,964万4,000kWhとなり、前週3月31日~4月4日の119億3,835万kWhから11.0%減少した。曜日を合わせた前年の4月8~12日の需要実績は107億2,586万2,000kWhで、減少率は1.0%となった。
4月7~11日の東京商品取引所(TOCOM)の約定は下記表のとおり。1,948枚(194.8MW)の約定があった。
4月7~11日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。470件・3,692MWの約定があった。
4月第3週の電力スポットは、第2週から大きな変動はないとみられる。関東以西の最高気温は20度以上の日が続き、週後半には25度程度の地域も多くなるとみられる。このため、冷暖房ともに不要の日が続く見通しで、価格の上値を抑える材料となりそうだ。天気は、週前半が北日本中心に雨模様となりそうだが、週半ば以降は晴れ間が続く見通しのため、週後半に向けて価格は下押す動きになるとみられる。一部の市場関係者からは、「価格は、東日本が11~12円台、西日本が10円前後で推移するとみている」(新電力の市場取引担当者)との見方が示された。
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