電力=4月21~25日:電力スポットは前週比で反発、太陽光の減少で
4月21~25日受け渡しの電力スポット価格24時間の週間平均は、東日本(50Hz)および西日本(60Hz)ともに前週から反発。前週に比べて曇天の日が多くなり、太陽光発電が減少したため、日中の価格中心に底上げの動きとなった。ただ、本格的な春の気温動向となり、冷暖房ともに空調需要は鈍したため、価格の上げ幅は限定的だった。 東西の主要エリアである東京と関西の電力スポットの24時間平均の値差を見ると、21日が1.77円、22日が0.82円、23日が0.52円、24日が2.92円、25日が1.97円の東高西低となった。
4月第4週の燃料相場は下記のとおり。 北東アジア市場のLNGスポットは下落。4月24日時点で期近の25年6月着品がmmBtuあたり11ドル台半ばとなり、前週末時点(4月18日)から0.25ドル程度下落した。週前半は、複数の生産設備で発生しているトラブルが強材料となり、相場も強含んだものの、欧州の天然ガス相場が軟調に推移したことを受け、週後半に相場は下押した。生産設備のトラブルも総じて軽微だという。経済産業省が4月23日に公表した、4月20日時点の発電用LNGの在庫は211万トンとなり、前週から2万トン減少した。前年4月末時点の218万トン、過去5年平均の214万トンをいずれも下回った。 豪ニューキャッスル積みの一般炭相場は、4月24日時点の25年4月積みがトンあたり93ドル台後半となった。前週末時点(4月17日)から1ドル超の下落。ガス価格の下落に連動した。 原油相場は、4月25日午前時点でWTIの25年6月物がバレルあたり63ドル台前半、ブレントの25年6月物が66ドル台後半の水準。前週末時点(4月17日)から、WTIおよびブレントともに1ドル程度の下落となった。強弱材料が入り混じり、週を通じて上げ下げまちまちとなった。ドル安やイランにかんする制裁が強材料となった一方、石油輸出国機構(OPEC)と非OPECで構成される「OPECプラス」の複数の加盟国が6月の原油生産を拡大するとの見通しが弱材料となった。
週を通じた実勢高値は、23日に9エリアおよびシステムプライス(SP)で付けた20.30円となった。一方、実勢安値は0.01円となり、21日に東京を除く8エリアとSPで、22日に北海道と東北で、24日に関西、中国、四国、九州で、25日に北海道と東北でそれぞれ付けた。 エリア別の24時間の週間平均は、北海道が前週比で0.34円高の9.29円、東北が同0.98円高の10.05円、東京が同0.71円高の11.30円、中部が同0.67円高の10.39円、北陸が同0.42円高の9.93円、関西が同0.23円高の9.70円、中国が同0.22円高の9.69円、四国が同0.06円安の9.20円、九州が同0.57円高の9.10円だった。 売買入札量の週間平均は、売り札が前週から0.2%増の11億1,046万1,540kWh、買い札が同1.5%増の8億7,459万8,350kWhとなった。約定量の週間平均は、同0.6%減の7億354万1,050kWhだった。
4月21~25日の9エリアの電力需要は、101億8,550万2,000Whとなり、前週4月14~18日の106億521万7,000kWhから4.0%減少した。曜日を合わせた前年の4月22~26日の需要実績は102億9,862万5,000kWhで、減少率は1.1%となった。
4月21~25日の東京商品取引所(TOCOM)の約定は下記表のとおり。4,494枚(449.4MW)の約定があった。
4月21~25日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。150件・2,653MWの約定があった。
4月最終週および5月第1週の電力スポットは低調に推移する見通し。大型連休前半は、天気に恵まれる見通しで、潤沢な太陽光発電が見込まれる。このため、需給緩和感が強まり、とくに西日本の九州や四国、中国エリアでは日中の複数コマで0.01円を付ける日が多くなりそうだ。一部の市場関係者は、「太陽光比率が高い九州などでは、火力発電の稼働を限界まで低下させるとみられるため、太陽光の影響が薄まる夕方や夜間は、足元の価格水準から大きく下がらないかもしれない。このため、日中と夕方、夜間の値差は大きくなるのでは」(新電力の需給担当者)と指摘。続けて、「それでも東日本はベースで10円を下回る日が多くなると思う。西日本は、東日本から2円程度安い水準で推移するのではないか」(同)との見通しが示された。
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