電力=4月28日~5月2日:電力スポットは前週比で反落、大型連休入りで需要減少
4月28日~5月2日受け渡しの電力スポット価格24時間の週間平均は、東日本(50Hz)および西日本(60Hz)ともに前週から反落。大型連休に入り、電力需要が低減したため、電力スポットも買い気が後退し、価格も下押した。西日本では、太陽光発電が潤沢となった影響で日中時間帯の0.01円が頻発した。中国エリアでは、需要に対する太陽光発電比率が100%に達する日もみられた。 東西の主要エリアである東京と関西の電力スポットの24時間平均の値差を見ると、28日が0.04円、29日が0.44円、30日が1.55円、1日が1.69円、2日が1.99円の東高西低となった。
4月最終週および5月第1週の燃料相場は下記のとおり。 北東アジア市場のLNGスポットは下落。5月1日時点で期近の25年6月着品がmmBtuあたり11ドルとなり、前週末時点(4月25日)から0.2ドル程度下落した。欧州の天然ガス相場が軟調に推移したことや、日本や中国、韓国のプレーヤーは休みに入った向きも多く、取引が低調となったことを映した。経済産業省が4月30日に公表した、4月27日時点の発電用LNGの在庫は205万トンとなり、前週から7万トン減少した。前年4月末時点の218万トン、過去5年平均の214万トンをいずれも下回った。 豪ニューキャッスル積みの一般炭相場は、5月1日時点の25年5月積みがトンあたり97ドル台半ばとなった。前週末時点(4月25日)から2ドル超の上昇。生産の採算ラインとされる100ドルを下回る水準では買いも入りやすいもよう。 原油相場は、5月2日午前時点でWTIの25年6月物がバレルあたり59ドル台半ば、ブレントの25年7月物が62ドル台半ばの水準で推移している。前週末時点(4月25日)から、WTIが3.5ドル程度、ブレントが3ドル超のそれぞれ下落。世界銀行が29日に発表した商品市場の見通しで、米国発の関税政策が世界経済の減速を招き、原油価格が対前年比で大幅安になるとの見通しを示したことや、サウジアラビアによる原油増産の観測が浮上したことなどが下押し圧力となった。
週を通じた実勢高値は、1日に東日本3エリアで付けた15.92円となった。一方、実勢安値は0.01円となり、29日に全9エリアとシステムプライス(SP)で、30日に東京を除く8エリアとSPで、1日に北海道、東北、四国でそれぞれ付けた。 エリア別の24時間の週間平均は、北海道が前週比で0.61円安の8.68円、東北が同0.64円安の9.41円、東京が同0.62円安の10.68円、中部が同0.50円安の9.89円、北陸が同0.39円安の9.54円、関西が同0.23円安の9.54円、中国が同0.15円安の9.54円、四国が同0.16円安の9.04円、九州が同0.50円安の8.60円だった。 売買入札量の週間平均は、売り札が前週から3.3%増の11億4,718万5,880kWh、買い札が同3.1%減の8億4,754万5,300kWhとなった。約定量の週間平均は、同4.7%減の6億7,069万3,300kWhだった。
4月28日~5月2日の9エリアの電力需要は、90億8,690万9,000kWhとなり、前週4月21~25日の101億8,550万2,000kWhから10.8%減少した。曜日を合わせた前年の4月29日~5月3日の需要実績は88億7,188万kWhで、増加率は2.4%となった。
4月28日~5月2日の東京商品取引所(TOCOM)の約定は下記表のとおり。
4月28日~5月2日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。219件・1,705MWの約定があった。
5月第2週の電力スポットも上値の重い展開が続く見通し。週半ばから大型連休明けとなるが、過ごしやすい気象が予想されており、空調需要は低調になるとみられる。ただ、火力発電は引き続き複数の設備が停止しているため、予想外の気温上昇や発電設備のトラブルが発生した場合、電力スポットは思わぬ高値を付ける可能性はある。一部の市場関係者からは、「第2週のベース価格は、東日本で10円前後、西日本が東日本から1~2円低い水準で推移するのではないか」(新電力の市場取引担当者)との見方が示されている。
|