LPG=5月12~16日:中国向けの米国産カーゴの取引が復活
CFR極東:
先週の極東着市場は、日本着が需給タイト感から上昇。15日時点でJapan Indexはプロパン、ブタンとも549.00ドルと9日比37.25ドル高となった。12日の米中貿易協議により、双方が輸入品に対する追加関税を90日間大幅に引き下げに引き下げることで合意した。これに伴い、中国向けの米国産カーゴの取引が活発化すると見込まれ、需給引き締まり感から日本着相場は切り上がった。中国向けでは、6月後半華北向けにプロパン4万6,000トンの成約が6月極東着9ドルのプレミアムで決まるなど、米国品の取引が再び聞かれている。ただし、中国プレーヤーは6月着の需要を非米国産カーゴやターム玉で満たし終えており、米国産カーゴに対する買い気は弱い様子。加えて、中国プレーヤーが中東産プロパン/ブタン各2万2,000トンやプロパン単体の転売に動いているとの情報も寄せられた。
FOB中東:
6月積みでは、プロパン/ブタン各2万2,000トンの供給が潤沢だ。中国プレーヤーや中東からターム玉を引き取るトレーダー勢を含めた複数の売り手がこれらカーゴの転売に動いている。一方、CPに割高感が生じており、買い手はFOB中東ベースでのスポット玉の購入に関心が薄い。中東積みカーゴの需給に緩和感が生じていると、市場関係者は指摘した。6月CP予想はプロパンが585ドル前後、ブタンが565ドル前後となった。
日本国内:
5月渡しの陸上京浜のプロパンは91,000~91,800円と前週から1,100円続落した。先安観測から元売り勢の販売競争が過熱した。一部の元売りが需給調整を目的としたスポット販売を行ったとみられ、この余剰玉が市中に広がった。不需要期に入り買いが盛り上がりに欠けたことも影響した。一方、陸上京浜のブタンは90,700~91,700円と前週から急落しプロパンを下回った。元売り1社が鹿島、川崎、霞、大分で積極的に在庫の処分を進めたため、相場が圧迫された。輸入玉の流入が背景にあったようだ。この元売りは水面下で一部の商社に対し89,000円台まで対応していたとの情報も伝えられていた。