LPG=5月19~23日:産ガス社が大幅なディスカウントでスポット販売
CFR極東:
先週の極東着市場は日本着、中国着とも売り手の増加で下落した。23日時点でJapan Indexはプロパンが531.50ドルと16日比17.00ドル安、ブタンが511.50ドルと37.00ドル安となった。ブタンの需給緩和感の強さから、ブタンの下げ幅はプロパンのそれより大きかった。6月後半着~7月前半着プロパン単体の売り手が市場に漸増し、相場は徐々に切り下がった。中国着では、華東の輸入1社や華北の輸入1社が6月着の販売に動いた。需要面では、華北の金能化学がプロパン単体の買い付け入札を実施し、7月着の非米国産カーゴを7月CP対比30ドル台半ば~後半のプレミアムで調達した。しかしながら、大半の買い手がスポット商談入りを控えており、買い気が弱かった。
FOB中東:
6月積みでは複数の売り手が市場に見えており、供給は潤沢に映る。欧メジャー1社がプロパン/ブタン各2万3,000トン、日本元売り1社がプロパン/ブタン各2万2,000トンのスポット販売余地がありそうだ。6月末プロパン/ブタン各2万2,000トンについては、商談水準が6月CP対比40ドル台のディスカウントまで下落している様子。このほかには、カタールエナジーが21日応札の締め切りで実施した販売入札を通じ、プロパン/ブタン各2万2,000トンを欧トレーダー1社に販売したと伝えられていた。落札価格が6月CP対比53ドルのディスカウントだったと市場関係者はみている。6月CPについては、サウジアラムコが23日に1回目の聞き取り調査を実施した。一部のプレーヤーはプロパンが590~595ドルが妥当との見方を示した。
日本国内:
5月渡しの陸上京浜のプロパンは91,000~91,800円と前週から大きな動きが見られなかった。月内取引がおおむね一巡し市場の売買動意が薄かった。一方、海上市場では、大口需要家が買い付け入札を実施した。大手化学メーカーは京浜にある工場向けにプロパン計900トンを対象とした入札を行った。結果の詳細は明らかにならなかったものの、うち600トンは基地出し換算90,000円で一部の元売りが落札したとの情報が伝えられた。また、大手製鉄会社は大分工場向け22日納めのブタンを対象とした入札を実施した。こちらは、ブタンが持て余した元売りが基地出し換算80,000円台半ばで応札したと伝えられた。