原油・コンデンセート=5月26~30日:プルタミナが7月NWSCを購入
中東 アブダビ産原油の商いでは、7月積みの商い終盤戦に差し掛かり、需要を残していた一部のプレーヤーが大量購入に動いている。国営ヒンダスタン石油(HPCL)は入札で、成約価格は現時点で判然としないものの、7月積みマーバン200万バレルを8月着ベースで購入したものと見られる。同じ軽質油種の米WTIミッドランドに比べ割安と評価したHPCLが、前月積みに続き、まとめて追加購入したようだ。一方、HPCLへは今回、タイ石油公社(PTT)が販売したようだ。PTTは、前月に続き今回も、中国石油天然気(ペトロチャイナ)がマーバン200万バレルを販売する際に、HPCLに対する販売窓口として商流に加わったと見られている。
アフリカ・欧州・ロシア・アメリカ ロシア産原油の商いでは、7月着の東シベリア産エスポがインド向けに計10カーゴ(各72万バレル前後)程度販売されたとの情報が寄せられた。価格はCFRインドでドバイ市況に対して1ドル近いプレミアムだったようだ。エスポはこのところ、大半のカーゴが中国向けに販売されており、インド向けには成約されていなかった。7月着の一部のエスポの仕向け先がインドとなった背景はっきりしないが、中国勢がサウジアラビアなど中東産のターム玉での引き取りを増やし、エスポの引き取りを削減した可能性が指摘された。
南方 入札関連では、インドネシア国営プルタミナが同国石化TPPI向け8月着コンデンセートの入札を通じて、7月25~29日積みNWSCを英シェルから購入した、落札価格はCFRベースでDTDブレントに対して2ドル台のディスカウントだったとの情報が寄せられた。この入札はジャカルタ時間21日応札締め切り、23日有効期限で実施され、対象は8月1~3日着1カーゴ(60万バレル)と8月12~14日着1カーゴ(30万バレル)だった。7月積み豪州産の商いでは、BPが依然としてコサックの販売に動いている。しかし、5月末を迎えて積極的な買い手は見当たらず、商談は長期化の様相を呈している。アンポールなど豪州の需要家が通常、コサックの調達に積極的な姿勢を取るものの、今月はこうした需要家の購入意欲が全体的に弱い。アンポールは7月にリットン製油所(日量10万4,000バレル)で一部設備の定修を実施する。このため、同社にコサックの購入余地はないとみられる。
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