石油化学=5月26~30日:ブタジエンは下落、供給の余剰感で
【アロマティクス】
韓国積みのベンゼン相場は小幅なレンジ内で推移した。原油市況の下落や中国国内相場安を受けた。中国国内では供給の潤沢感が強いようだ。北東アジア着のパラキシレン(PX)相場は強含んだ。積極的な買い気がみられ需給の緩和感が後退した。
【ガソリン基材】
中国積みのMTBE相場は大きな変動がみられず。原料となるメタノールは割安な価格で取引されるイラン産の輸入量が増えているようだ。ただ、MTBEの需要の回復や生産量増加などにはつながっていないようだ。
【オレフィン】
北東アジア着のエチレン相場は動きがみられず。7月品の商談入りには時期尚早なため、商いは活発さを欠いた。韓国積みの商談では、5月29日の締め切りでエチレンメーカー1社が販売入札を開示した。これ以外に少なくとも1社が販売可能とみられる。日韓勢の供給余力は豊富なようで、FOBベースでの商談水準は軟調と伝えられた。
アジアのプロピレン市場は需給緩和感から全面安となった。
北東アジア市場では、韓国、日本ともに売り物が余剰となっている一方、中国需要家は国内相場がこのところ軟調に推移しているため、輸入品に対する買い気が乏しい。
東南アジア市場では、新規設備の立ち上げや定修中の設備が再開しつつあるなか、供給に潤沢感がある。一方、誘導品の需要が弱いなか、需給に緩和感がある。
北東アジア着のブタジエン相場は下落した。タイヤ需要の弱さや、中国国内相場の軟化を受けた。市場では、サウジアラビア品や欧州品の売り物の情報が聞かれた。中国国内では、誘導品であるSBラテックスの工場が、周辺で起きた爆発事故の影響により稼働を停止した。これもあり、ブタジエン市場の基調は弱まっている。
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