石油化学=6月2~6日:芳香族製品、週後半は原油安を受け軟調
【アロマティクス】
韓国積みのベンゼン相場、北東アジア着のパラキシレン(PX)相場は週明け上昇したものの、その後は軟調となった。主に原油相場の動きを映した。また前週は米国による関税政策に対し、同国裁判所が違法判決を出したが、その後に関税を取り下げる行政命令が出されなかった。このため、関税差し止めによる貿易の活性化、景気回復への期待が後退した。
【オレフィン】
北東アジア着のエチレン相場に動きはみられず。米国政府は米国から中国へエタンを輸出する際に輸出業者などに許認可の取得を義務付けることを決定した。米国から中国向けのエタン輸出の影響を見極めようとの思惑から、様子見ムードが広がった。市場関係者からは、中国のエタンクラッカーのオペレーターは各社、十分なエタンの在庫を確保するか、エタン以外の原料の手当てを継続しているため、即座に影響は出ないとの見方も聞かれた。
北東アジア着のプロピレン相場は小動きとなった。韓国では誘導品のポリプロピレン(PP)設備の不具合や補修工事が相次いでおり、在庫水準は高いとみられる。ただ、使用可能な船腹が乏しいもよう。一方で積極的な買い気もみられなかった。誘導品の設備関連では、東南アジアのPP設備の1基が5月末から停止していると伝えられた。需要悪化が要因のようだ。
北東アジア着のブタジエン市場は、総じて静かな商況となった。誘導品の需要や採算が低いことから、ブタジエンに対する買い気は鈍い。一方、供給にも余剰感は見られず、販売を急ぐ売り手は限られている。韓国の石化メーカー1社は、入札を通じて7月積みのカーゴを販売した。東南アジアでも、タイの石化メーカー1社が販売入札を実施した。
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