LPG=6月2~6日:売り手表面化で極東着軟化
CFR極東:
先週の極東着市場は、供給増から日本着、中国着とも小幅に下落した。5日時点でJapan Indexはプロパンが539.25ドル、ブタンが509.25ドルと5月30日比1.75ドル安となった。週の後半から売り手が表面化し、相場は下押しされた。7月前半千葉着プロパン2万3,000トンの商談では、5日に7月極東着市況対比11ドルのプレミアム(539ドルもしくは7月CP対比42ドルディスカウント相当)で成約が決まった。華南のプロパン脱水素(PDH)プラント操業1社が実施した7月着の買い付け入札では、9社程度の応札があったもようだ。同社は7月前半着プロパン2万3,000トン計2カーゴを、7月CP対比10ドルおよび同比10ドル台前半~半ばのプレミアム相当で他の中国プレーヤーから購入したとみられている。
FOB中東:
7月積みでは、プロパン/ブタン各2万2,000トンの売り手は7月CP対比20ドルのディスカウントで販売可能な様子。中東産ガス社勢はブタン在庫が潤沢とみられており、カタール産ガス1社は7月積みプロパン/ブタン各2万2,000トンの販売余地がある様子。サウジアラムコ傘下の中東トレーダー1社も同荷姿を抱えていたが、同社はCFRベースでの販売に切り替えたもよう。一方、中東トレーダー1社はプロパン/ブタン各2万2,000トンを7月CP対比20ドルのディスカウントで購入していた様子。さらに、バハラット石油(BPCL)が5日応札の締め切りで7月積みプロパン/ブタン各2万2,000トンの買い付け入札を実施し、買い手も浮上していたようだ。
日本国内:
6月渡しの陸上京浜のプロパンの商談は90,000~90,500円と前週から1,750円下落した。大手元売り1社が川崎、千葉ターミナルで89,000円台で販売を開始、スポット需要の囲い込みに動いた。これに触発される形で、別の元売り1社も89,000円台後半まで値下げし、これに対抗した。一方、別の元売り2社はやや消極的だった。ただし、このうち1社はブタンの販売については積極姿勢を示した。主要な出荷基地から90,000円強で売り唱え、在庫の消化を進めた。5日には、鹿島基地にプロパン/ブタン同率玉が輸入された。6月末に閉鎖を予定している碧南基地では、在庫の消化を終えるまで出荷を続けるもよう。出荷停止が7月にずれ込む可能性があるとの見方が出た。