原油・コンデンセート=6月9~13日:中東産は薄商い、イラン情勢の見極め優先
中東産原油の8月積みは薄商いとなった。13日の市場では、アッパーザクム原油に成約が聞かれるとともに、国営カタールエナジー(QE)がアルシャヒーン原油を含む8月積み原油の販売入札を開示したと伝えられた程度。他のアブダビ産、カタール産、イラク産などに明確な唱えや成約は聞かれなかった。市場関係者の多くは、イランとイスラエルを中心とした中東情勢の行方を注視し、8月積みの商い着手を控える動きが強まった。東京時間13日午後の時点で、中東産原油やコンデンセートの生産や供給拠点における障害、供給の途絶や遅延などといった情報は寄せられていないものの、中東産原油の需要家の多くは今後、中東湾岸を通過する船舶の航行に制限が課せられるのではないかとの懸念を強めた。シンガポールのトレーダーは「イランがホルムズ海峡を封鎖する可能性も出てきており、産油各国の供給動向の見極めを最優先する」と伝えた。
【アフリカ/欧州/ロシア/アメリカ】 カナダ産原油のアジア向けの商いでは、TMXパイプライン出しの9月着のコールドレーク原油がCFRベースでICEブレントに対して50セント前後のディスカウント、アクセスウェスタンブレンド(AWB)原油が同市況に対して1.00ドル前後のディスカウントで売り唱えられた。売唱えは、9月着の序盤戦と比べて高値に切り上がった。9月着のTMX原油は、栄盛石化(Rong Sheng Petrochemical)が商いの序盤戦の5月末にAWBを少なくとも1カーゴを購入。価格は成約当時、CFRベースでICEブレントに対して2.75ドル前後のディスカウントだった。
【南方】 8月積みインドネシア産の商いでは、インドネシアのTISペトロリアム(TIS)が販売入札を開示した。この入札はシンガポール時間13日13時応札の締め切り、同日20時有効期限で実施される。対象は4カーゴ。8月25~30日積みララン原油(8万5,000バレル)、8月27~30日積みミナス原油(17万バレル)、8月27~30日積みパンカー原油(15万 バレル)、8月29~31日積みBDカラパン原油(8万5,000バレル)。この入札にはタイ石油公社(PTT)や米エクソンモービルなど固定的な需要を抱える複数のプレーヤーが参加すると見込まれた。
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