LPG=6月9~13日: 中東情勢の緊迫化でCP予想が上方修正
CFR極東:
先週の極東着市場は、プロパンが需要増を受け上昇。中国でプロパン脱水素(PDH)プラントを操業するプレーヤーが相次ぎ買い付け入札を実施したことに加え、買い戻し需要を抱えるトレーダー勢がスポット商談入りした。しかし、入札への参加者が多かったほか、中国輸入業者による転売が見られたことから、相場の上値は重かった。ブタンは、石化用原料としての需要が高まったものの、高値警戒感から買い気は徐々に後退し、先週後半に行われた中国プレーヤー2社による買い付け入札はキャンセルとなった。一方、中東情勢の緊迫化で中国向けの特殊産地玉の供給が減る可能性があり、先行きブタン相場が上がるとの見方も浮上した。12日時点でJapan Indexはプロパンが546.75ドル、ブタンが516.75ドルといずれも6日比9.25ドル高となった。China Indexはプロパンが576.75ドルと同8.50ドル高、ブタンが528.50ドルと17.50ドル安だった。
FOB中東:
7月積みでは、プロパン/ブタン各2万2,000トンの商談は7月CP対比40ドル前後のディスカウントと、前週からディスカウントが拡大した。中東積みの需要が乏しく、複数のプレーヤーが同荷姿のカーゴを持て余していた。こうしたなか、インドのバハラット石油(BPCL)が5日に実施した7月積み同荷姿を対象とした買い付け入札は7月CP対比40ドルのディスカウントで中東トレーダー1社が落札したとの情報が伝わった。一方、イスラエルが13日にイランを攻撃し、中東情勢が緊迫化した。これを受け、CP先物価格は前日から急騰した。 CP先物価格の上昇分を考慮すると、プロパン/ブタン同率玉のCP対比のディスカウントが60ドル前後まで拡大する可能性があるとの見方が浮上した。もっとも、様子見に徹するプレーヤーが多く、具体的な商談の進展は見られなかった。7月CP予想は13日時点で、プロパン592ドル、ブタン562ドルに上方修正された。
日本国内:
6月渡しの陸上京浜では、プロパンが89,000~89,800円、ブタンが89,500~90,200円と前週からいずれも下落した。卸業者の売り込みが強まり、川崎出しの売唱えはプロパン89,000円台後半~90,200円、ブタン90,000円~90,000円台前半で伝えられた。一方、卸業者が徐々に販売を終えつつあり、相場が底を打ったとの指摘も聞かれた。加えて、中東情勢の緊迫化を受け、7月仕切り価格の試算が上昇するとみられている。このなか、元売り勢による6月渡しの販売意欲も後退しそうだ。さらに、ジクシスが利用するENEOS川崎製油所は7月6日から8月8日まで、定修が計画されている。夏季の定修期間に伴い、元売り勢が在庫の温存を図るとの見方も寄せられた。