LPG=6月16~20日:インド輸入業者がスポット調達
CFR極東:
先週の極東着市場は、日本着、中国着とも原油高や買い気の堅調さを受け上昇。19日時点でJapan Indexはプロパンが585.75ドル、ブタンが555.75ドルといずれも13日比8.00ドル高となった。China Indexはプロパンが606.63ドルと同11.38ドル高、ブタンが550.00ドルと同11.50ドル高だった。7月後半着~8月前半着の買い戻し需要を抱えたトレーダー勢によるスポット需要が浮上した。一方、華東輸入1社や韓国輸入1社がスポット販売に乗り出し、豪州産プロパン単体を抱える売り手も複数浮上した。このなか、プロパン需給に引き締まり感は無いとの見方が寄せられている。ブタンは、中東情勢の悪化でLPGの供給にも不透明感が漂っており、特殊産地玉の商談が停滞している。
FOB中東:
7月積みでは、プロパン/ブタン各2万2,000トンの商談は7月CP対比40ドル前後のディスカウントと、前週から大きな動きが見られなかった。イスラエルとイランの紛争で中東情勢が緊迫化し、中東積みで傭船可能な船が減少したため、中東積みカーゴの調達が難しくなった。このため商談が進展しづらかった面がありそうだ。こうしたなか、インド国営石油(IOC)はCFRベースで8月着の買い付け入札を実施中。インドのヒンダスタン石油(HPCL)が16日に応札を締め切った7~9月のプロパン/ブタン各2万2,000トンを対象とした買い付け入札は落札に至ったもよう。FOB中東ベースで7~8月積みが各月CP対比50ドル台のディスカウントだったとされる一方、ディスカウント幅は40ドル前後だったとの情報も伝えられた。また、CFRベースだったとも伝えられるなど情報が錯綜した。
日本国内:
6月渡しの陸上京浜では89,000~89,800円、ブタンが89,500~90,200円といずれも前週から据え置かれた。商談は手仕舞いもよう。大半の卸業者はすでに販売を終えている一方、民生用需要の弱さから買い手の浮上が期待できないとの声が聞かれた。7月渡しでは、早くも元売り1社がプロパンのスポット供給価格を94,000円台で提示した。これについては他元売りよりも先に提示することで、先高を見越した需要家の受注の囲い込みに動いたとの見方が寄せられた。一方、大半の買い手はこの水準での購入に関心が薄そうだ。他の元売り1社はスポット供給価格を提示していない。