石油化学=6月23~27日:MTBEは小幅安、原油市況の軟化で
【アロマティクス】
韓国積みのベンゼン相場、北東アジア着のパラキシレン(PX)相場はいずれも前週に比べ大きく水準を切り下げた。当週に入り原油相場が大きく下落したことを受けた。PXでは中国メーカーによる生産調整が続いているもよう。
【ガソリン基材】
中国積みのMTBE相場は小幅安。原油市況の動きを映した。一方、シンガポールではオクタン価基材の価格評価は弱含んでいる。MTBEのシンガポール着の取引では92RONガソリン市況に対し等価での成約が伝えられた。
【オレフィン】
北東アジア着のエチレン市場には強弱材料がみられる。引き続き、エチレン原料であるエタンやメタノールの供給が限定されており、中国国内でのエチレン生産にとって懸念材料となっている。一方でコスト指標となる原油やナフサが下落したことから、需要家からの相場の下げ期待が強まった。
北東アジア着のプロピレン相場は週明け後、強含んだものの、週後半には反落した。主に原油相場の動きを受けた。ただ下げ幅は限定的。イスラエルとイランの交戦状況が激化した際の原油相場の上昇に比べ、プロピレン相場の上昇は緩やかだったことが要因のひとつ。週後半の価格アイデアは買いが790ドル、売りが810ドルで聞かれた。
北東アジア着のブタジエン市場では、先行きの不透明感もあり、全体的に買い気に強さが見られない。台湾の石化メーカーは、入札を通じて7月積みのカーゴを販売した。
東南アジアでは、マレーシアとインドネシアの石化メーカーが7月上旬積みのブタジエンに売り気を示した。ナフサクラッカーとブタジエン設備の立ち上げに伴い、売り物が生じたようだ。
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