電力=6月23~27日:電力スポットは続伸、太陽光減が強材料に
6月23~27日受け渡しの電力スポット価格24時間の週間平均は、前週から東日本(50Hz)および西日本(60Hz)ともに続伸。前週に比べて気温は低めで推移したものの、全国的に雨雲で覆われる日が多くなり、太陽光発電は前週から急減したため、電力スポットは昼間主導で一段高となった。また、雨の影響で湿度が高まったため、前週のような厳しい暑さにならなかったなかでも冷房需要の稼働は低下せず、価格動向にも影響した。 東西の主要エリアである東京と関西の電力スポットの24時間平均の値差を見ると、23日が0.67円、24日が0.38円、26日が1.29円、27日が1.43円の東高西低となり、25日が1.10円の西高東低だった。
6月第4週の燃料相場は下記のとおり。 北東アジア市場のLNGスポットは反落。6月26日時点で期近の25年8月着品がmmBtuあたり13ドルとなり、前週末時点(6月20日)から1.3ドル近い下落となった。イスラエルとイランによる停戦を受け、欧州の天然ガス相場が急落し、北東アジア市場のLNG相場もつれ安となった。週半ばには13ドルを割り込む局面もあった。経済産業省が6月25日に公表した、6月22日時点の発電用LNGの在庫は225万トンとなり、前週から11万トン増えた。前年6月末時点の213万トン、過去5年平均の210万トンをいずれも上回った。 豪ニューキャッスル積みの一般炭相場は、6月26日時点の25年7月積みがトンあたり106ドル台前半となり、前週末時点から6ドル以上の下落となった。原油やLNGの下落に連動した。 原油相場は、6月27日午前10時時点でWTIの25年8月物がバレルあたり65ドル台半ば、ブレントの25年8月物が67ドル台後半の水準で推移。前週末時点から、WTIが8.5ドル程度、ブレントが9ドル程度のそれぞれ大幅下落となった。イスラエルとイランによる停戦合意に伴い、ホルムズ海峡封鎖など原油供給に対する過度な不安が払拭し、相場は下げ幅が拡大した。
週を通じた実勢高値は、23日と24日に中部、北陸、関西の3エリアで付けた34.71円となった。一方、実勢安値は24日に北海道で付けた1.00円だった。 エリア別の24時間の週間平均は、北海道が前週比で0.29円高の11.51円、東北が同2.66円高の14.68円、東京が同0.47円高の15.50円、中部が同0.90円高の15.07円、北陸、関西が同1.22円高の14.96円、中国、四国が同1.62円高の12.30円、九州が同1.49円高の12.17円だった。 売買入札量の週間平均は、売り札が前週から2.9%減の11億1,155万630kWh、買い札が同1.6%減の10億1,255万8,420kWhとなった。約定量の週間平均は、同2.6%減の7億8,325万1,580kWhだった。
6月23~27日の9エリアの電力需要は、126億544万3,000kWhとなり、前週6月16~20日の129億216万6,000kWhから2.3%減少した。曜日を合わせた前年の6月24~28日の需要実績は118億1,367万4,000kWhで、増加率は6.7%となった。
6月23~27日の東京商品取引所(TOCOM)の約定は下記表のとおり。
6月23~27日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。350件・2,383MWの約定があった。
7月第1週の電力スポットは、6月第4週から大きな変化はないとみられる。東北南部から九州の気温動向として、32~35度の地域が散見され、冷房需要の稼働は高まるとみられるが、定検明けの火力発電が増え始めるほか、一定の太陽光発電も見込まれるため、潤沢な供給力が価格の上値を抑えるとみられる。さらに、7月に入ると相対電源比率を高めたプレーヤーが増えることも、上値抑制の材料となりそう。こうした状況を受け、一部の市場関係者からは「7月第1週のベース価格は、平日で東京が14~16円、関西で13~15円と予想している。高値では20円を超えるとみているが、30円や40円を付けることはないだろう」(同)との見方を示した。
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