石油化学=6月30日~7月4日:MTBEは続落、原油市況安で
【アロマティクス】
韓国積みのベンゼン相場、北東アジア着のパラキシレン(PX)相場はいずれも週半ばまで軟調に推移した。イスラエルとイランの停戦後、原油相場が下落したことを受けた。また中東情勢の緊迫化による供給懸念が後退したことも下げ材料となった。
【ガソリン基材】
中国積みのMTBE相場は続落となった。原油安を受けた。また中国で生産能力が過剰となるとともに、ガソリン基材向けの需要に強さがなく、需給は潤沢感が強い。台湾のフォルモサ石油化学が7月末~8月積み1万トンを入札により販売した。シンガポール積みスポット市況で落札されたようだ。
【オレフィン】
北東アジア着のエチレンスポット取引は市場の環境が大きく変化したことで様子見ムードが広まった。原料コスト指標となる原油やナフサ相場の水準が切り下がったほか、週半ばには米国から中国向けのエタン輸出の制限が事実上解除された。中国国内ではエタンクラッカーからのエチレン生産への懸念が後退したため、相場は弱含んだ。
アジアのプロピレン市場は台湾向けに高値の成約が伝えられた。
北東アジア着の市場では、台湾中油の大林にある残油流動接触分解装置(RFCC)が不具合で稼働を停止したことを受け、台湾向けに期近着が割高水準で成約された。
韓国積みでは、石化メーカー1社が7月積みについて販売入札を実施したほか、別の石化メーカー1社も7月積みをスポット販売した。一部の誘導品設備が定修入りしており、プロピレン供給に余剰感が強い。
北東アジア着のブタジエン市場では、売り物が限られているため、取引が低調となった。韓国の石化メーカーはブタジエン設備でトラブルが発生したと伝えられた。
東南アジアでは、マレーシアの石化メーカーがブタジエン設備のトラブルのため販売入札をキャンセルしたとの情報が流れた。
中国国内の市場では、ブタジエンの供給に潤沢感があるなか相場が軟調に推移した。
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