LPG=6月30日~7月4日:中東、極東とも売り手は多く
CFR極東:
先週の極東着市場は、日本着、中国着とも供給増を受け下落した。3日時点でJapan Indexはプロパンが525.25ドル、ブタンが495.25ドルといずれも6月26日比12.75ドル安となった。China Indexはプロパンが550.38ドルと同16.00ドル安、ブタンが524.00ドルと同6.00ドル安だった。ブタンは堅調な需要から相場の下げ幅が限定的だった。8月前半、8月後半とも売り手が多い。8月前半日本着プロパン2万3,000トンは4日時点で8月極東着市況対比8ドルのディスカウント(531ドルもしくは8月CP対比29ドルのディスカウントに相当)まで売り込まれた。中国着では、台湾輸入1社が自社の寧波のプロパン脱水素(PDH)プラント向けに買い付け入札を通じ、非米国産プロパン2万3,000トン計2カーゴを560~570ドルで調達した。いずれも期近である7月後半着だった。
FOB中東:
8月積みプロパン/ブタン各2万2,000トンの商談は8月CP対比30ドル台のディスカウントで推移した。同荷姿の売り物を抱えるプレーヤーが多い一方、買い気が乏しい。このため8月積みもCP対比のディスカウントは深くなっている。インド国営石油(IOC)が8月着もしくは8月積みプロパン/ブタン各2万2,500トンの買い付け入札を実施した。複数の市場関係者によると、CFRベースで8月CP対比20ドル台半ばのプレミアムで落札された。中東/インドのフレート相場を考慮すると、これはFOB中東ベースで8月CP対比30ドル台のディスカウントに相当するとみられている。一方、7月積みでは、クウェート石油公社(KPC)がプロパン/ブタン各2万2,000トンの販売入札を4日に締め切った。期近積みは8月積みよりもさらに深いディスカウントが求められるとの見方があった。7月CPはプロパンが575ドル、ブタンが545ドルで確定した。
日本国内:
7月渡しの陸上京浜は、プロパンとブタンともに89,500~90,500円と前週から大幅下落した。大手卸業者1社が川崎および千葉基地出しでプロパン、ブタンを90,500円で売り唱えた。一部の元売りの販売意欲が背景にある。元売りからはプロパンで90,000円台を下回る売り物が流通し始めているという。今後はプロパンの商談水準が89,000円台に下落するとの見方も聞かれた。一方、他の元売り2社はプロパンのスポット価格を90,000円台にとどめている様子。