原油・コンデンセート=7月7~11日:8月サウジ産、契約者向けが供給増
国営サウジアラムコは10日、長期契約者に対する8月積みのサウジアラビア産各種の供給概況を伝えた。サウジアラムコは今回、全ての契約者に対して8月積みのサウジアラビア産原油を、契約数量に沿って供給する。供給時の許容範囲、いわゆるトレランスも上限で供給される見通し。8月積みとしての契約者向けの供給量は合計で5,100万バレルと前月比で400万バレル増加する。石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」の有志8カ国は先の会合で、8月から日量54万8,000バレル増産することで合意しており、サウジアラムコもこの方針に沿って、アラブライト(AL)原油およびアラブエクストラライト(AEL)原油を中心に供給を増やす。中国企業は「サウジアラムコは戦略的に販売量を増やすと同時に、販売価格の引き上げも同時に進めることが出来ている」と伝えた。 一方、サウジアラムコは、一部の長期契約者への追加供給を見送る。中国企業を中心に複数の契約者がアラブヘビー(AH)原油とアラブミディアム(AM)原油に関して、契約で取り決められた水準を上回る数量の供給を要請していたが、サウジアラムコは供給余力が限られることを理由に追加供給を見送る決定を下した。夏場を迎えるサウジアラビアでは、発電用の燃料としてAMとAHの需要が増加しており、サウジアラムコがこれらの油種を国内向けに優先的に供給する方針を取った。
【アフリカ/欧州/ロシア/アメリカ】 10月アジア着ブラジル産の商いでは、中国国際連合石油化工(ユニペック)が大型原油タンカー(VLCC)3隻分計600万バレルを購入したと伝えられた。成約価格はDTDブレントに対して3ドル台後半~4ドルのプレミアムだった。売り手は英シェルと仏トタルエナジーズ。
【南方】 ベトナム国営PVオイルが実施した9月積みスツデン原油の販売入札では、同国のビンソン石油精製化学(BSR)と欧ビトールがそれぞれ1カーゴを落札した。落札価格は、いずれもDTDブレント指標に対して4ドル台のプレミアムとなった。7月8日応札の締め切り、翌9日を有効期限として実施されたこの入札の対象は、9月2~8日積み、9月12~14日積みの計2カーゴ(各30万バレル)だった。
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