国内石油製品=7月7~11日:陸上ガソリン、東西で底上げへ
陸上ガソリンは先安観測の後退を織り込み、割安玉が徐々に細った。製油所の装置トラブルも響き、特に千葉は前週比3.3円高の130.3円、阪神も同2.05円高の128.8円まで値を戻している。WTI原油市況は上げ下げあるものの、65ドルを下値支持線とし、大きな値崩れには至っていない。
全国的な気温上昇を受け、小売販売は総じて堅調との声が複数の市場関係者から寄せられている。ガソリン在庫は6月中旬以降、前年を割り込んでおり、余剰感は限定的だ。19~21日の3連休、さらにその次の週末と、夏休み入りに伴う行楽需要を商機とみる市場関係者も多い。結果的に足元では手持ち玉を温存する動きが広がっている。
市場関係者間では、参院選後の業界動向を見極めたいとの声が出始めた。6月26日から始まった予防的な激変緩和措置は7~8月限定とされ、9月以降は5月22日から実施されている燃料油価格定額引下げ措置のみが適用される見通し。ただ、政治動向次第では下期の対応が流動的になる可能性もある。夏場は下期の灯油商戦に向けた溜め込み可否や今冬相場へのマーケティング意識が徐々台頭し始めるものの、今回は政治要因が絡み、なかなか動けないとの声も多い。石油連盟によると、東日本の灯油在庫は前年を10~15%以上上回っており、足元でタイト感はない。
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