LPG=7月14~18日: 需給緩和でFOB中東相場が急落
CFR極東:
先週の極東着市場は、8月着の供給余剰感を受け軟化。18日時点でJapan Indexはプロパンが515.50ドル、ブタンが485.50ドルといずれも11日比18.25ドル安となった。China Indexはプロパンが540.50ドルと同19.13ドル安、ブタンが514.00ドルと同20.00ドル安だった。日本着では、8月後半着プロパン単体の売り手が唱えを大幅に引き下げて販売を急いだ。15日には、トルコトレーダー1社がプロパン2万3,000トンを8月極東着市況対比17ドルのディスカウント(15日時点で524ドルもしくは8月CP対比31ドルのディスカウントに相当)で売り唱えた。同社はこのカーゴをすでに販売したとみられている。中国着市場では、相場急落から買い気が触発され、台湾輸入1社が運営するプロパン脱水素(PDH)プラント向けや寧波の他のPDHプラント向けのスポット需要が浮上。これらPDHプラント向けに、プロパン2万3,000トンが8月CP対比10ドル台半ばのプレミアムもしくは560ドル台で成約が決まったとの情報が寄せられた。
FOB中東:
8月積みプロパン/ブタン各2万2,000トンの商談水準は8月CP対比50ドルのディスカウントと前週から10ドル下落した。同荷姿のカーゴを抱えたプレーヤーが多かったのに対し、インドや東南アジア向けなどの買い気が乏しく、需給が緩んだ。プロパン/ブタン各2万2,000トンを抱えた中国の輸入1社が8月CP対比50ドルのディスカウントで欧トレーダー1社に販売したとの情報が伝わった。また、日本の輸入1社もCP対比50ドル台のディスカウントで販売したようだ。インド向け商談では、2026年1~12月分のプロパン/ブタン各2万2,000~2万2,500トンのターム買い付け入札を実施していたインド国営石油会社(IOC)が同年1月および9月分の同荷姿1カーゴずつを対象とした買い付け入札を新たに実施した。18日に応札が締め切られ、同日に応札の有効期限を迎えた。
日本国内:
7月渡しの陸上京浜はプロパンが88,200~88,700円、ブタンが88,300~89,100円と前週から大きな動きがみられなかった。月内取引がおおむね一巡し、市場は静けさを取り戻した。積極的にスポット販売を進めていた大手元売り1社も一旦様子見に退いたもよう。ただし、同元売りは依然として販売意欲を有しているとされ、追加でスポット販売に乗り出す可能性があると、一部の市場関係者はみている。一方、スポット販売に消極的とみられていた別の大手元売り1社は特約店に対しスポット販売価格を事後的に見直すとみられている。ENEOSグローブが運営する川崎ターミナルが配管設備の補修工事のため、8月18日~9月28日に全種出荷を停止する。同期間中は京浜周りの複数基地から代替出荷が行われるもよう。