電力=7月21~25日:電力スポットは前週比で小幅高、連日の厳暑が強材料に
7月21~25日受け渡しの電力スポット価格24時間の週間平均は、前週から東日本(50Hz)および西日本(60Hz)ともに小反発。週を通じて、連日35度前後の地域が多くなり、北海道でも35度を超える地域がみられるなど、記録的な暑さが続いた。こうした厳しい暑さを受け、スポット市場での調達の動きも強まったものの、潤沢な売りが投じられたことで価格の過度な上昇は抑えられる格好となった。市場関係者からは、「日中の厳しい暑さが続いたなかでも、太陽光発電が上値を抑える材料となっている。さらに、火力発電で目立ったトラブルがなく、原発も順調に稼働していることや水力発電も潤沢なことなど、安定した供給力が価格動向に大きく影響している」(新電力の需給担当者)との見方が示された。 東西の主要エリアである東京と関西の電力スポットの24時間平均の値差を見ると、21日が1.52円、22日が1.39円、23日が1.08円、24日が0.89円、25日が0.77円の東高西低だった。
7月第4週の燃料相場は下記のとおり。 北東アジア市場のLNGスポットは続落。7月24日時点で期近の25年9月着品がmmBtuあたり11ドル台後半となり、前週末時点(7月18日)から0.4ドル程度下回った。欧州の天然ガス相場が週を通じて軟調に推移したことを映し、北東アジア市場のLNG相場もつれ安となった。さらに、北東アジアの需要家による買い気が低調なことも、相場の上値を抑える材料となった。経済産業省が7月23日に公表した、7月20日時点の発電用LNGの在庫は192万トンとなり、前週から5万トン増えた。前年7月末時点の194万トン、過去5年平均の215万トンをいずれも下回った。 豪ニューキャッスル積みの一般炭相場は、7月24日時点の25年7月積みがトンあたり110ドル超となり、前週末時点から0.3ドル程度の小幅下落となった。ガス価格の下落を映した。 原油相場は、7月25日午前8時時点でWTIの25年9月物がバレルあたり66ドル台前半、ブレントの25年9月物が69ドル台半ばの水準で推移。WTIおよびブレントともに前週末時点から小幅安となった。米国と主要国による関税交渉の行方を注視する動きとなり、様子見ムードが強まったことで小幅な値動きとなった、
週を通じた実勢高値は、24日に北海道から関西の6エリアで付けた21.64円となった。一方、実勢安値は21~23日に四国で付けた0.01円だった。 エリア別の24時間の週間平均は、北海道が前週比で1.57円安の11.62円、東北が同0.33円安の12.83円、東京が同0.73円高の13.98円、中部が同0.29円高の13.55円、北陸、関西が同0.02円安の12.85円、中国が同0.26円高の11.38円、四国が同1.39円安の6.79円、九州が同0.20円高の10.66円だった。 売買入札量の週間平均は、売り札が前週から1.0%増の13億2,013万7,570kWh、買い札が同3.5%増の11億3,171万1,210kWhとなった。約定量の週間平均は、同3.9%増の9億416万6,390kWhだった。
7月21~25日の9エリアの電力需要は、143億6,022万2,000kWhとなり、前週7月14~18日の132億3,850万6,000kWhから8.5%増加した。曜日を合わせた前年の7月22~26日の需要実績は146億8,521万9,000kWhで、減少率は2.2%となった。
7月21~25日の東京商品取引所(TOCOM)の約定は下記表のとおり。
7月21~25日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。299件・3,113MWの約定があった。
7月最終週の電力スポットも強基調で推移する見込み。東北南部から九州にかけて、連日35度以上の猛暑日になる見通しとなり、市場調達の動きは引き続き強まるとみられる。ただ、発電設備で目立ったトラブルなどない限り、潤沢な売りが投じられる見通しで、電力スポットの過度な上昇は抑えるとの見方が多いようだ。一部の市場関係者からは、「7月最終週の価格は、東京のベース価格で13~14円程度で推移するとみており、高値も引き続き20円台でとどまるのではないか。関西は東京から1~2円安い水準になると想定している」(新電力の市場取引担当者)との見方が示された。
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