石油化学=8月4~8日:プロピレン、東南アジア品がトラブル背景に急増
【アロマティクス】
韓国積みのベンゼン相場、北東アジア着のパラキシレン(PX)相場はレンジ内で推移した。米国がロシア産原油輸入国に対する関税を課すことを表明しており、ロシア産以外の原油に対する需要が強まると見込まれる。このため、原油相場は堅調に推移すると見込まれる。一方で誘導品は低採算が続いており、相場の上値を圧迫している。
【ガソリン基材】
中国積みのMTBE相場に動きはみられず。すでに売り手が9月積みまでの商談を一巡しているもよう。8月初めごろに8月末~9月までに積み込まれる30万トンが630~635ドルのレンジで成約されていたとの情報が伝えられた。
【オレフィン】
北東アジア着のエチレン相場は週明けに小幅弱含んだものの、その後は底堅く推移した。原料相場や中国国内のエチレン相場の堅調さに支えられた。また、韓国のYNCCは第3ナフサクラッカーを8日ごろに停止する計画と伝えられた。このなか、売り手は相場に先高感を抱いている。一方、誘導品の採算は低下した状態が続いているため、買い手はビッドを切り上げてまで積極的な買い付けに動かず、市場は総じて盛り上がりを欠いた展開となった。
アジアのプロピレン市場は東南アジア品の供給に潤沢感がある。
北東アジア着の市場では、中国国内相場が軟調に推移するなか、同国の需要家の輸入品に対する買い気が乏しい。
韓国では、YNCCの第3ナフサクラッカーが採算悪化を背景に8日から稼働を停止する予定。
東南アジア市場では、ペンゲラン石油精製・石油化学(PRefChem)のポリプロピレン設備2基が不具合で稼働を停止しており、プロピレンが余剰となった。
北東アジア着のブタジエン市場では、相場に変動が見られず。域外品の取引では、米国品が韓国向けに交渉された。台湾の石化メーカー1社は、輸出向けの商談を行っているもよう。週前半に日本のナフサクラッカー1基が再開した一方、週後半に韓国のナフサクラッカー1基が停止すると伝えられたため、市場関係者はブタジエンの需給を見極めようとしている。
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