LNG=8月4~8日:需要家は原油リンクの長契玉の引き取りを優先
韓国では大手高炉POSCOが4日に締め切ったDESベースの入札で9月前半着を11.80~11.90ドルで買い付けたが、日中需要家からの期近着のスポット需要は限定的だ。市場関係者は「スポット玉が長期契約玉と比べて割高なため、スポット買いを躊躇する買い手が多い。長期契約価格のベースとなるブレント原油相場が割安な一方、北東アジア着のLNGスポット市況が底堅く推移していることが、スポット調達意欲を削ぐ要因となっている」と伝えた。このため多くの需要家はUQT(上方数量弾力性)を行使するなど、原油市況連動の長期契約玉の引き取り量を増やすことで夏場の需要に対応しているようだ。一部の市場関係者からは、豪イクシスプロジェクト(年産890万トン)では長期契約玉の引き取り要請が増えたため、スポット玉の供給余力がなくなったとの見方が寄せられている。ただ同プロジェクトでは8月18日から約2カ月の定修が予定されており、「スポット玉を販売できないのは定修が影響している可能性もある」(同)。
【FOB中東・DES中東・DES南アジア】 インド国営石油(IOC)は5日に応札を締め切った買い付け入札を通して、8月20~30日着もしくは9月2~7日着の1カーゴを11.80~11.90ドルで購入した。同社は7月29日締め切りの入札でも8月下旬着を物色していたが、成約に至らなかった経緯があり、「どうしてもこのタイミングの玉が欲しかった」(日本企業)ようだ。この期近着カーゴを除けば、南アジア着相場は9月後半着で北東アジア着相場を25セント前後下回る水準が妥当とみられている。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 アンゴラLNGが7月30日応札の締め切りで実施していたDESベースの販売入札は落札に至らず、最終的にアンゴラLNGがキャンセルしたと伝えられている。対象はアンゴラプロジェクト(年産520万トン)出しの8月下旬~9月中旬着1カーゴだった。市場関係者によると、キャンセルした販売入札は8~9月着を対象とした8月6日締めのものだった可能性もあるという。
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