LNG=8月11~15日:中国勢の買いはペナルティ回避との見方
猛暑によって冷房用や発電用のガス需要は伸びているものの、「産業用需要が伸び悩んでいるためガス販売量は最終的には事前予想を大きく逸脱しない」(都市ガス会社)ようだ。また2020年代前半~半ばに開始した長期契約は、新型コロナウィルスの感染拡大やロシアのウクライナ侵攻前に見積もった需要水準をベースに契約数量が決められているため、慢性的にロングポジションとなってしまった需要家もいるとの声が聞かれる。このため需要期でもスポット需要が乏しいどころか、転売の検討が必要な場合が生じているようだ。ただスポット需要も聞かれる。中国の北京ガスが今週、9月後半着の2カーゴを11.60~11.70ドルで購入した。加えて浙江能源(Zhejiang Energy)も先週、期近着の1カーゴを手当てしていたもよう。中国勢は11ドル台半ばなら買いに動くとの見方があるが、「需要家はLNG基地の使用には事前に申請した数量を引き取らなければペナルティが課される場合があるため、値ごろ感よりもペナルティ回避のための調達だった可能性の方が高いかもしれない」(邦アナリスト)との指摘が寄せられた。
【FOB中東・DES中東・DES南アジア】 バングラデシュ国営ルパンタリタプラクリティックガス(RPGCL)は8月17日応札の締め切りで、DESベースの買い付け入札を開示した。対象は10月6~7日着、10月19~20日着、10月21~22日着の計3カーゴ。同社は10日締め切りの入札で10月19~20日着の購入を見送っていた。一方、RPGCLはこの入札で9月10~11日着をアラムコトレーディングから11.97ドルで、10月8~9日着を中国石油天然気(ペトロチャイナ)から11.90ドルでそれぞれ購入している。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 国営カラマリLNGは8月14日応札の締め切りで、パーシャルカーゴの買い付け入札を開示した。対象は9月着と10月着の計2カーゴ。「売り手のオペレーション次第では、フルカーゴを2回に分けて荷揚げする可能性も考えられる」(日本企業)。
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