電力=8月11~15日:電力スポットは反落、旧盆休暇で需要減少
8月11~15日受け渡しの電力スポット価格24時間の週間平均は、前週から東日本(50Hz)および西日本(60Hz)ともに反落。旧盆休暇に入り、産業用需要が減少したため、需給緩和感が強まった。また、関東などでは厳しい暑さが緩んだことも弱材料となった。とくに13~15日には、15億kWhを超える潤沢な売りが投入され、価格の下押し圧力が強まった。 東西の主要エリアである東京と関西の電力スポットの24時間平均の値差を見ると、11日が2.82円、12日が2.43円、13日が1.41円、14日が1.38円、15日が2.01円の東高西低だった。
8月第3週の燃料相場は下記のとおり。 北東アジア市場のLNGスポットは小幅続落。8月14日時点で期近の25年9月着品がmmBtuあたり11ドル台後半となり、前週末時点(8月8日)から0.2ドル程度下回った。欧州の天然ガス相場が軟調だったことや、日本勢が旧盆休暇に入り、取引が閑散だったことを映した。経済産業省が8月13日に公表した、8月10日時点の発電用LNGの在庫は196万トンとなり、前週から3万トン増えた。前年8月末時点の170万トンを上回ったが、過去5年平均の204万トンを下回った。 豪ニューキャッスル積みの一般炭相場は、8月14日時点の25年8月積みがトンあたり110ドル台後半となり、前週末時点から2ドル超の下落となった。ガス価格の下落を映した。 原油相場は、8月15日午前8時時点でWTIの25年9月物がバレルあたり63ドル台後半、ブレントの25年10月物が66ドル台後半の水準で推移。WTIおよびブレントともに前週末時点とほぼ同水準。米原油在庫の増加が下押し圧力となった一方、下げ過ぎ感から持ち高調整の買いも入り、相場は動意薄だった。米国とロシアの両首脳による会談を控え、様子見ムードが強まったことも、相場の方向感を欠いた。
週を通じた実勢高値は、13日と15日に北海道で付けた18.36円となった。一方、実勢安値は13日に全9エリアとシステムプライスで付けた3.01円だった。 エリア別の24時間の週間平均は、北海道が前週比で4.73円安の10.89円、東北が同5.27円安の10.17円、東京が同6.00円安の10.34円、中部が同6.43円安の9.54円、北陸、関西が同7.21円安の8.33円、中国が同5.09円安の8.27円、四国が同1.68円安の7.82円、九州が同5.04円安の8.25円だった。 売買入札量の週間平均は、売り札が前週から20.6%増の15億118万9,511kWhに急増した一方、買い札が同17.8%減の10億3,017万1,270kWhに急減した。約定量の週間平均は、同11.9%減の8億1,775万2,6940kWhだった。
8月11~15日の9エリアの電力需要は、111億7,895万5,000kWhとなり、前週8月4~8日の146億26万5,000kWhから23.4%減少した。曜日を合わせた前年の8月12~16日の需要実績は122億6,049万4,000kWhで、減少率は8.8%となった。
8月11~15日の東京商品取引所(TOCOM)の約定は下記表のとおり。
8月11~15日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。250件・2,079MWの約定があった。
8月第4週の電力スポットは、第3週から大幅高となりそうだ。旧盆休暇を終え、産業用需要が通常時に戻るほか、比較的暑さが落ち着いた第3週から、第4週は再び厳しい暑さに戻るため、電力需要が急増し、価格にも波及するとみられる。市場関係者からは、「8月第4週の価格は、東京のベース価格が15円前後、関西もほぼ同水準で推移するのではないか」(新電力の市場取引担当者)との見方が示された。
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