国内石油製品=8月11~15日:陸上ガソリン、お盆前半の大雨響く
お盆のガソリン需要期に入ったものの、前半の3連休は全国的に天候がいまひとつ。特に西日本では災害級の大雨もあり、帰省需要や行楽需要が伸び悩んだほか、これまでの酷暑的な暑さが幾分和らいだことも弱材料視された。海外原油相場の軟化も響き、市場は先安を先取りし、千葉は週間比1.05円安の133.25円、阪神も同1.1円安の132.8円まで下振れ。お盆後半は天候が回復したものの、一部の地区では雲が残ったほか、局地的に激しい雨が降った地区もあった。西日本の需要減を東日本でカバーする卸業者も散見され、特に地方二次基地でやや踏み込んだ市中玉が透けて見えるなど、上値の重さが露呈した。
近々の動きを見ると、京浜地区ではENEOS川崎製油所、阪神地区ではコスモ石油堺製油所が定修を迎える。おおよそ織り込み済みとの声が専らながら、東西の主要製油所のため、供給側の事情で相場が動きやすい地合いとなる。
一方、与野党間で話し合いが進められているガソリン暫定税率廃止有無について、野党案は11月1日を廃止と謳っており、このままいけば秋の定修シーズンに被る可能性が出てきた。野党案はガソリンに投入されている現行の補助金10円に対し、段階的に5円ずつ上乗せして暫定税率廃止に切り替える方針だが、一方でガソリン同様に投入されている灯油や軽油、重油、さらにジェット燃料への補助金対応はこれといったアナウンスがない。与野党間の具体的な動きが表面化するまでもうしばらく時間がかかるとみられるが、9月以降の相場は政治に左右される場面が増えそうだ。