電力=8月18~22日:電力スポットは前週比で反発、旧盆休暇明けで需要増
8月18~22日受け渡しの電力スポット価格24時間の週間平均は、前週から東日本(50Hz)および西日本(60Hz)ともに大幅反発。旧盆休暇明けとなり、産業用需要が通常時に戻ったほか、全国的に猛暑の日が多くなり、価格動向に波及した。なお、北海道では週初めに50.00円の高値を付けるなど、9エリアの中でもっとも高い価格水準となった。18日から北本連系線の作業が始まったことで、運用容量が低下し、需給が引き締まり傾向となったことが要因。なお、他のエリアは極端な高値を付けることもなく、東京ではベースは13円台中心、関西や中部は12円台中心に推移した。 東西の主要エリアである東京と関西の電力スポットの24時間平均の値差を見ると、18日が1.00円、19日が1.20円、20日が1.52円、21日が1.99円、22日が1.60円の東高西低だった。
8月第4週の燃料相場は下記のとおり。 北東アジア市場のLNGスポットは小幅続落。8月21日時点で期近の25年9月着品がmmBtuあたり11ドル台前半となり、前週末時点(8月15日)から0.25ドル程度下回った。欧州の天然ガス相場が軟調に推移したことや、北東アジアの需要家による買い気が鈍化していることを映した。経済産業省が8月20日に公表した、8月17日時点の発電用LNGの在庫は201万トンとなり、前週から5万トン増えた。前年8月末時点の170万トンを上回ったが、過去5年平均の204万トンを下回った。 豪ニューキャッスル積みの一般炭相場は、8月21日時点の25年8月積みがトンあたり110ドル台半ばとなり、前週末時点から0.25ドル程度の下落となった。ガス価格の下落を映した。 原油相場は、8月22日午後時時点でWTIの25年10月物がバレルあたり63ドル台半ば、ブレントの25年10月物が67ドル台後半の水準で推移している。前週末時点からWTIが1.5ドル程度、ブレントが2ドル程度のそれぞれ上昇。ロシアとウクライナによる停戦協議に不透明感が強まったことや、米原油在庫の大幅減が強材料となった。
週を通じた実勢高値は、18日に北海道で付けた50.00円となった。一方、実勢安値は19~22日に四国で付けた0.01円だった。 エリア別の24時間の週間平均は、北海道が前週比で4.25円高の15.14円、東北が同2.90円高の13.07円、東京が同3.40円高の13.74円、中部が同3.94円高の13.48円、北陸、関西が同3.95円高の12.28円、中国が同3.11円高の11.38円、四国が同0.67円高の8.49円、九州が同3.02円高の11.27円だった。 売買入札量の週間平均は、売り札が前週から15.0%減の12億7,583万6,970kWh、買い札が同16.7%増12億235万3,060kWhとなった。約定量の週間平均は、同10.1%増の9億22万4,590kWhだった。
8月18~22日の9エリアの電力需要は、145億2,815万4,000kWhとなり、前週8月11~15日の111億7,895万5,000kWhから30.0%増加した。曜日を合わせた前年の8月19~23日の需要実績は143億5,548万9,000kWhで、増加率は1.2%となった。
8月18~22日の東京商品取引所(TOCOM)の約定は下記表のとおり。
8月18~22日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。505件・4,979MWの約定があった。
8月最終週の電力スポットは、前週並みで推移しそう。引き続き、関東から九州にかけて35度前後の猛暑日となる地域が多く、冷房需要も高水準を維持するとみられ、価格動向にも波及するとみられる。ただ、大規模な設備トラブルなどが発生しなければ、極端な価格上昇はないとみられ、売りが買いを上回る展開が続きそうだ。市場関係者からは、「8月最終の価格は、東京のベース価格が14円前後、関西は1円程度安い水準で推移するのではないか」(新電力の市場取引担当者)との見方が示された。
|