石油化学=8月25~29日:MTBEが軟化、需要低迷で
【アロマティクス】
韓国積みのベンゼン相場は週前半は堅調となったが後半に弱含んだ。主に原油相場の動きを映した。誘導品の採算性が低下した状態が続くなか、上値が重い状況が続いている。北東アジア着のパラキシレン相場も似た動きとなった。しかし、新規のPTA設備立ち上げを前に、売り手は需要増を期待し強気な姿勢を示す場面もみられた。
【ガソリン基材】
中国積みのMTBE相場は軟調となった。需給の緩和感を受けた。中国国内は需給の緩い状況が続いており相場にも割安感があるため、売り手は国内向けの販売に消極的だ。しかし、輸出向けの需要についても振るわない。このなか、9月中国積み4万トンがチリ向けにFOBベース625ドルで成約が伝えられた。
【オレフィン】
北東アジア着のエチレン相場は品薄感を受けて強含み。日韓台でエチレンメーカーが減産を継続しているうえ、10月から韓国で2社がナフサクラッカーの定修を計画しており、売り物が限られている。設備関連ではシンガポールのアスター・ケミカルズ・アンド・エナジーが保有するナフサクラッカーで定修作業中に火災が発生、その後同社はフォースマジュール(不可抗力条項の適用)を宣言している。
アジアのプロピレン市場は中国国内相場が堅調に推移するなか、買い気が強まった。
北東アジア着の市場では、中国でプロパン脱水素設備の定修が相次いでいることを受け、相場が堅調に推移。これを受け、中国の需要家の買い気が強まった。
韓国では、YNCCが9月以降にナフサクラッカーの稼働率を引き上げる予定。
東南アジア市場では、マレーシアのペンゲラン石油精製・石油化学(PRefChem)が所有している残油流動接触分解装置(RFCC)2基は、第1系列が27日に原料を投入したほか、第2系列は稼働を継続中と聞かれる。
アジアのブタジエン市場では、米国品が北東アジア向けに成約されたようだとの情報が伝えられた。このほか、一部の東南アジア品が北東アジアに持ち込まれているようだが、長期契約品として供給されているため、スポットの取引には動きが見られないもよう。中国国内では、8月後半以降にブタジエン設備の定修が相次いで行われるため、供給が引き締まる見通し。
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