電力=9月1~5日:電力スポットは前週比で続伸、厳しい残暑続く
9月1~5日受け渡しの電力スポット価格24時間の週間平均は、前週から東日本(50Hz)および西日本(60Hz)ともに続伸。9月入り後も厳しい残暑が続き、価格も一段高となった。また、東京中部間で連系線の作業が始まったことや、定期点検などで停止する火力発電が増え始めたことも、強材料となった。3日には、中部エリアの需給逼迫が懸念され、東京エリアから24万kW(14時30分~15時)の融通が実施された。また、4~5日には台風15号(ペイパー)の影響により、太平洋側の広い地域で風雨が強まったため、一般水力や揚水発電の稼働を抑制する動きも多くなった。 東西の主要エリアである東京と関西の電力スポットの24時間平均の値差を見ると、1日が3.97円、2日が1.69円、3日が1.76円、4日が0.46円、5日が0.84円の東高西低だった。
9月第1週の燃料相場は下記のとおり。 北東アジア市場のLNGスポットは前週末から小幅高となった。9月4日時点で期近の25年10月着品がmmBtuあたり11ドル台前半となり、前週末時点(8月29日)から0.05ドル程度上回った。欧州の天然ガス相場の変動に連動した。北東アジア市場では、引き続き需要家による買い気は鈍く、相場の上値は重い状況が続いた。経済産業省が9月3日に公表した、8月31日時点の発電用LNGの在庫は201万トンとなり、前週から17万トン減少した。前年8月末時点の170万トンを上回ったが、過去5年平均の204万トンは下回った。 豪ニューキャッスル積みの一般炭相場は、9月4日時点の25年9月積みがトンあたり107ドルとなり、前週末時点から4.5ドル軟化した。 原油相場は、9月5日13時時点でWTIの25年10月物がバレルあたり63ドル台半ば、ブレントの25年11月物が66ドル台後半の水準で推移している。前週末時点からWTIおよびブレントともに0.5ドル程度の下落。石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟国で構成される「OPECプラス」による追加増産の可能性や、米原油在庫の増加などが弱材料となった。
週を通じた実勢高値は、5日に北海道で付けた50.00円となった。一方、実勢安値は6.01円となり、3日に北海道と東北で、4日に東北でそれぞれ付けた。 エリア別の24時間の週間平均は、北海道が前週比で0.20円安の14.34円、東北が同0.68円安の13.28円、東京が同1.72円高の15.93円、中部が同1.25円高の15.13円、北陸、関西が同2.00円高の14.19円、中国が同1.86円高の12.84円、四国が同1.90円高の12.10円、九州が同1.89円高の12.84円だった。 売買入札量の週間平均は、売り札が前週から2.7%減の12億27万3,320kWh、買い札が同3.2%減の11億7,506万9,220kWhとなった。約定量の週間平均は、同1.2%減の8億8,261万2,040kWhだった。
9月1~5日の9エリアの電力需要は、141億6,426万kWhとなり、前週8月25~29日の144億8,719万7,000kWhから2.2%減少した。曜日を合わせた前年の9月2~6日の需要実績は132億5,955万8,000kWhで、増加率は6.8%となった。
9月1~5日の東京商品取引所(TOCOM)の約定は下記表のとおり。
9月1~5日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。
9月第2週の電力スポットは、週前半が高めに推移する見込み。8~9日の最高気温は、関東から九州にかけて猛暑超えの地域が多くなる見通しで価格にも波及しそう。ただ、10日以降は気温も低下傾向になるため、週後半に向けて価格は軟化するとみられる。一部の市場場関係者からは、「週初めは東京のベースで15円近い水準になってもおかしくはない。再び猛暑が予想されており、買い気が強まるとみている。ただ、徐々に暑さも和らぐため、週後半には13円程度まで下げるのではないか。関西は東京から1~1.5円程度安い水準で推移するとみている」(新電力の市場取引担当者)との見方が示された。
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