電力=9月8~12日:電力スポットは前週比で反落、暑さの緩みで
9月8~12日受け渡しの電力スポット価格24時間の週間平均は、前週から東日本(50Hz)および西日本(60Hz)ともに反落。前週に比べて、まとまった雨の影響などで暑さが緩んだため電力需要が低下し、価格も軟化した。とくに12日は、東京の最高気温が28度と関東で30度を割り込んだほか、西日本も30度超と連日の猛暑が解消したため、価格の下げ幅も大きくなった。 東西の主要エリアである東京と関西の電力スポットの24時間平均の値差を見ると、8日が1.73円、9日が0.95円、10日が0.64円、11日が0.56円、12日が0.94円の東高西低だった。
9月第2週の燃料相場は下記のとおり。 北東アジア市場のLNGスポットは前週末から上昇した。9月11日時点で期近の25年10月着品がmmBtuあたり11ドル台半ばとなり、前週末時点(9月5日)から0.20ドル程度切り上がった。欧州の天然ガス相場が堅調に推移し、北東アジア市場のLNG相場も連動した。また、中東やロシアの地政学リスクの高まりも、相場の強材料となった。ただ、北東アジア市場では需要家による買い気は引き続き低調で、相場の上値は抑えられた。経済産業省が9月10日に公表した、9月7日時点の発電用LNGの在庫は181万トンとなり、前週から20万トン減少した。猛暑が続いたことでLNG火力の高稼働が続いた。前年9月末時点の183万トン、過去5年平均の205万トンをいずれも下回った。 豪ニューキャッスル積みの一般炭相場は、9月11日時点の25年9月積みがトンあたり100ドル台後半となり、前週末時点から6.5ドル前後の下落となった。 原油相場は、9月12日13時時点でWTIの25年10月物がバレルあたり61ドル台後半、ブレントの25年11月物が65ドル台後半の水準で推移している。WTIおよびブレントともにほぼ前週並みの水準。ロシアや中東情勢など地政学リスクの高まりが強材料となった一方、米国経済に不透明感が強まっていることやOPECなどによる増産観測が弱材料となり、相場は一進一退となった。
週を通じた実勢高値は、10日に北海道で付けた50.00円となった。一方、実勢安値は8日に北海道で付けた5.00円だった。 エリア別の24時間の週間平均は、北海道が前週比で1.89円高の16.03円、東北が同0.61円安の12.67円、東京が同2.26円安の13.67円、中部が同1.82円安の13.31円、北陸、関西が同1.48円安の12.71円、中国が同0.86円安の11.89円、四国が同2.50円安の9.60円、九州が同0.86円安の11.98円だった。 売買入札量の週間平均は、売り札が前週から0.1%増の12億105万3,520kWh、買い札が同0.4%減の11億7,024万5,900kWhとなった。約定量の週間平均は、同2.5%減の8億6,044万2,420kWhだった。
9月8~12日の9エリアの電力需要は、137億2,617万1,000kWhとなり、前週9月1~5日の141億6,426万kWhから3.1%減少した。曜日を合わせた前年の9月9~13日の需要実績は144億3,690万2,000kWhで、減少率は4.9%となった。
9月8~12日の東京商品取引所(TOCOM)の約定は下記表のとおり。
9月8~12日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。
9月第3週の電力スポットは、連休明けから一段高となりそう。東北から九州にかけて30度以上の夏日が予想されており、西日本では名古屋や大阪など35度を超える地域もある見込み。一方、定期点検などで停止する火力発電は増えるため、需給が引き締まる日もありそうだ。一部の市場場関係者からは、「週半ばごろまでは全国的に気温が高く、東京のベース価格は14円を超えるとみている。週後半には暑さが和らぐ見通しのため、価格は軟化傾向になるだろう。関西は引き続き、東京から1円程度安い水準で推移するとみている」(新電力の市場取引担当者)との見方が示された。
|
||||||||||||||||||||||||
|