国内石油製品=9月8~12日:陸上ガソリン、東西で下振れ
陸上ガソリン相場は前週同様、先高期待の後退が響き、手持ち業者の整理売りが広がった。川崎製油所の定修や定修に紐づいた元売り、ないしは商社の買いが入る千葉は下支えされていたものの、今週は若干息切れ。先行値下げの阪神を意識した下げとなった。第3週の系列仕切り価格は0.5円の上げに対し、千葉は前週比0.55円安の134.6円、阪神は同0.15円安の134.25円。
ガソリン暫定税率廃止問題は、自民党の総裁選を織り込み、野党が提出している11月1日実施案は難しい情勢となった。与野党協議は平行線を辿っており、これといった進展は見られない。9月も中旬となり、これから上期末を迎える。さらに10月入り後は今冬相場の意識が徐々に高まるため、ガソリン暫定税率問題と並行し、今後は灯油市況も気になるところだ。
その灯油は、石油連盟がまとめた在庫状況によると、6日現在で東日本が前年比28.6%増の207万1,297kl、西日本が同25.3%増の62万7,329klと、すでに積み上がりは十分と言える。ただ、複数の市場関係者は、元売り各社で在庫の積み上げ具合にムラがあるとされ、なかには10月以降の灯油出荷に対して数量調整を打診する元売りもいると伝えている。
もっとも、気象庁は10月中旬まで全国的に残暑が続くと発表している。寒冷地や山々の冬の便りがまだ聞こえてこないところを勘定すると、足元で灯油市況の波乱はなさそうだ。
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