電力=9月15~19日:電力スポットは反発、残暑や供給力の減少で
9月15~19日受け渡しの電力スポット価格24時間の週間平均は、前週から東日本(50Hz)および西日本(60Hz)ともに反発。関東以西で厳しい残暑となった地域が多く、冷房需要も高水準を維持したなか、定期点検などで停止する火力発電が増えたことで需給が引き締まり傾向となり、価格にも波及した。17日には、関西エリア管内の需給悪化が見込まれたため、中部エリアから関西向けに最大82万kW(14時30分~18時)の融通が実施された。 東西の主要エリアである東京と関西の電力スポットの24時間平均の値差を見ると、15日が0.84円、16日が0.80円、17日が5.12円、19日が1.74円の東高西低となり、18日が0.76円の西高東低となった。
9月第3週の燃料相場は下記のとおり。 北東アジア市場のLNGスポットは、9月18日時点で期近の25年11月着品がmmBtuあたり11ドル台半ばとなり、前週末時点(9月12日)と同水準だった。欧州の天然ガス相場がほぼ前週並みで推移したほか、北東アジア市場も需給動向に目立った変化はなく、相場は方向感を欠いた。経済産業省が9月17日に公表した、9月14日時点の発電用LNGの在庫は176万トンとなり、前週から5万トン減少した。前年9月末時点の183万トン、過去5年平均の205万トンをいずれも下回った。 豪ニューキャッスル積みの一般炭相場は、9月18日時点の25年9月積みがトンあたり103ドル台半ばとなり、前週末時点から3ドル弱の上昇となった。 原油相場は、9月19日13時時点でWTIの25年10月物がバレルあたり63ドル台半ば、ブレントの25年11月物が67ドル台半ばの水準で推移している。WTIおよびブレントともに、前週から0.5ドル程度の上昇。週前半はロシアや中東の地政学リスクの高まりが強材料となり、相場も一段高で推移した。ただ、週後半には米国の需要減少懸念やロシアに対する制裁強化の後退が弱材料となり、相場も軟化したため、週を通じて相場の上げ幅は限定的だった。
週を通じた実勢高値は、18日に東京、中部、北陸、関西で付けた35.83円となった。一方、実勢安値は15日に北海道で付けた0.01円だった。 エリア別の24時間の週間平均は、北海道が前週比で4.13円安の11.90円、東北が同0.23円安の12.44円、東京が同0.61円高の14.28円、中部が同0.38円高の13.69円、北陸、関西が同0.02円高の12.73円、中国が同0.46円安の11.43円、四国が同1.66円高の11.26円、九州が同0.56円安の11.42円だった。 売買入札量の週間平均は、売り札が前週から0.1%増の12億260万780kWh、買い札が同4.0%減の11億2,384万3,510kWhとなった。約定量の週間平均は、同1.6%減の8億4,682万1,910kWhだった。
9月15~19日の9エリアの電力需要は、131億3,997万3,000kWhとなり、前週9月8~12日の137億2,617万1,000kWhから4.3%減少した。曜日を合わせた前年の9月16~20の需要実績は139億2,413万3,000kWhで、減少率は5.6%となった。
9月15~19日の東京商品取引所(TOCOM)の約定は下記表のとおり。
9月15~19日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。
9月第4週の電力スポットは、第3週を下回る水準で推移しそうだ。猛暑がようやく落ち着く見通しで、週を通じた最高気温は関東から九州にかけて30度前後で推移する予報。冷房需要は落ち着くとみられ、価格にも波及するとみられる。さらに、晴れ間の日が続く予報のため、太陽光発電が増えるとみられ、昼間価格を圧迫する材料となりそうだ。一部の市場場関係者からは、「東京のベース価格は12円前後、関西は東京に比べ1円から1.5円程度安い水準で推移するとみている」(新電力の市場取引担当者)との見方が示された。
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