電力=9月22~26日:電力スポットは反落、暑さ緩和で需要減少
9月22~26日受け渡しの電力スポット価格24時間の週間平均は、前週から東日本(50Hz)および西日本(60Hz)ともに反落。9月も後半に入り、ようやく夏の暑さが緩んできたため、冷房需要が減少し、価格も上値が抑えられた。26日には広い地域で真夏日の暑さに戻ったものの、それでも北海道を除き高値は20円未満にとどまった。 東西の主要エリアである東京と関西の電力スポットの24時間平均の値差を見ると、22日が2.29円、23日が2.05円、24日が1.14円、25日が0.95円、26日が2.32円の西高東低となった。
9月第4週の燃料相場は下記のとおり。 北東アジア市場のLNGスポットは、9月25日時点で期近の25年11月着品がmmBtuあたり11ドル台前半となり、前週末時点(9月19日)と0.35ドル程度の下落となった。欧州の天然ガス相場が軟調に推移したため、北東アジア市場のLNG相場もつれ安となった。経済産業省が9月24日に公表した、9月21日時点の発電用LNGの在庫は188万トンとなり、前週から7万トン増えた。前年9月末時点の183万トンを上回ったが、過去5年平均の205万トンを下回った。 豪ニューキャッスル積みの一般炭相場は、9月25日時点の25年9月積みがトンあたり103ドル台後半となり、前週末時点から0.5ドル程度の上昇となった。 原油相場は、9月26日8時時点でWTIの25年11月物がバレルあたり65ドル台半ば、ブレントの25年11月物が69ドル台後半の水準で推移している。WTIおよびブレントともに、前週から3ドル程度の上昇。前週に売りが続いた反動で値ごろ感からの買いが先行した。さらに、米国の原油在庫が市場予想を上回る減少幅となったことも強材料となった。
週を通じた実勢高値は、22日に北海道で付けた40.00円となった。一方、実勢安値は22日に北海道と東北で付けた0.01円だった。 エリア別の24時間の週間平均は、北海道が前週比で0.71円安の11.19円、東北が同2.83円安の9.61円、東京が同3.52円安の10.76円、中部が同4.05円安の9.64円、北陸、関西が同3.71円安の9.02円、中国が同2.48円安の8.95円、四国が同2.37円安の8.89円、九州が同2.48円安の8.94円だった。 売買入札量の週間平均は、売り札が前週から10.3%増の13億2,622万9,180kWh、買い札が同8.7%減の10億2,599万2,210kWhとなった。約定量の週間平均は、同6.7%減の7億9,002万1,410kWhだった。
9月22~26日の9エリアの電力需要は、112億8,134万8,000kWhとなり、前週9月15~19日の131億3,997万3,000kWhから14.1%減少した。曜日を合わせた前年の9月23~27の需要実績は113億6,455万6,000kWhで、減少率は0.7%となった。
9月22~26日の東京商品取引所(TOCOM)の約定は下記表のとおり。
9月22~26日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。
9月最終週および10月第1週の電力スポットは、第4週を若干上回る水準で推移しそうだ。関東以西の最高気温は、30度前後と夏日が続く見通しのため、冷房需要が若干強まるとみられ、価格にも波及するとみられる。また、週前半は曇天の日が続くため、太陽光発電が限定的になるとみられることも、強材料となりそうだ。一部の市場場関係者からは、「東京のベース価格は12円台で推移するとみており、関西は東京に比べ引き続き1円から1.5円程度安い水準で推移すのではないか」(新電力の市場取引担当者)との見方が示された。ただ、定検などで停止する火力発電が一段と増えるため、発電設備のトラブルなどが生じた場合、思わぬ高値を付ける可能性もあり、価格上昇を警戒するプレーヤーも多くなっている。
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