電力=9月29日~10月3日:電力スポットは反発、火力の停止増など強材料に
9月29日~10月3日受け渡しの電力スポット価格24時間の週間平均は、前週から東日本(50Hz)および西日本(60Hz)ともに反発。10月に入り、定期点検などで停止する火力発電が増えたほか、週を通じて雲が多い地域が多かったため、前週に比べて売りが急減、買いが増加し、価格も上昇した。ただ、暑さが和らいだため、価格の上値は抑えられ、高値は20円未満で推移した。 東西の主要エリアである東京と関西の電力スポットの24時間平均の値差を見ると、29日が3.29円、30日が1.73円、1日が1.93円、2日が1.26円、3日が0.47円の西高東低となった。
10月第1週の燃料相場は下記のとおり。 北東アジア市場のLNGスポットは、10月2日時点で期近の25年11月着品がmmBtuあたり10ドル台後半となり、前週末時点(9月26日)から0.4ドル程度の下落となった。期近物が11ドルを割り込んだのは8月下旬以来。欧州の天然ガス相場が軟調に推移したため、北東アジア市場のLNG相場もつれ安となった。北東アジア市場では、長期契約玉で需要を賄う向きが多く、スポット玉に対する関心は低くなっているもよう。経済産業省が10月1日に公表した、9月28日時点の発電用LNGの在庫は183万トンとなり、前週から5万トン減少した。前年9月末時点の183万トンと同水準となり、過去5年平均の205万トンは下回った。 豪ニューキャッスル積みの一般炭相場は、10月2日時点の25年10月積みがトンあたり104ドル台後半となり、前週末時点から1.5ドル程度の下落となった。ガスや原油価格の下落を映した。 原油相場は、10月2日12時時点でWTIの25年11月物がバレルあたり60ドル台後半、ブレントの25年12月物が64ドル台前半の水準で推移している。WTIおよびブレントともに、前週から5ドル程度の下落。石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟国で構成さえる「OPECプラス」が11月も追加増産を実施する見通しとなっていることや、米原油在庫の増加などが弱材料となった。
週を通じた実勢高値は、29日に東日本で付けた19.21円となった。一方、実勢安値は29日~10月1日に四国で付けた0.01円だった。 エリア別の24時間の週間平均は、北海道が前週比で0.02円安の11.17円、東北が同1.44円高の11.05円、東京が同1.63円高の12.39円、中部が同1.50円高の11.14円、北陸、関西が同1.64円高の10.66円、中国が同1.23円高の10.18円、四国が同1.45円安の7.44円、九州が同1.13円高の10.07円だった。 売買入札量の週間平均は、売り札が前週から12.4%減の11億6,160万6,620kWh、買い札が同6.4%増の10億9,166万5,540kWhとなった。約定量の週間平均は、同1.9%減の7億7,524万4,210kWhだった。
9月29日~10月3日の9エリアの電力需要は、111億3,027万5,000kWhとなり、前週9月22~26日の112億8,134万8,000kWhから1.3%減少した。曜日を合わせた前年の9月30日~10月4の需要実績は115億4,429万kWhで、減少率は3.6%となった。
9月29日~10月3日の東京商品取引所(TOCOM)の約定は下記表のとおり。
9月29日~10月3日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。
10月第2週の電力スポットは、第1週から大きな変化はなさそうだ。気温は、週前半に関東以西で30度前後と真夏日の陽気になりそうだが、週後半に向けて気温は低下傾向となり、需要も減少傾向になるとみられる。また、週を通じて全国的に雲が多い見通しで太陽光も減少傾向となりそうだが、週後半には晴れ間が広がる予報のため、昼間価格も週後半に向けて下押す動きとなりそう。一部の市場場関係者からは、「東京のベース価格は週前半が13円台で推移するとみているが、徐々に軟化傾向となり、週後半には12円前後で推移すると予想している。関西は1円程度安い水準になると思う」(新電力の市場取引担当者)との見方が示された。ただ、前述のように10月に入ってから定検などで停止する火力発電が増えているため、予備力は低下しており、設備トラブルなどが発生した場合、価格は上振れしやすい状況になっている。
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