LNG=10月6日~10日:寒波と生産トラブルによる相場急騰に警戒
日本では発電用ガス需要がやや旺盛に映る。日本向けの新規のスポット需要は寄せられていないが、発電用のガス需要はやや旺盛に映る。東京の7日の最大電力需要は3,409万kWだった。東京の10月入り後の平日の最大電力需要は3,000万kW台半ばと、記録的な高気温を記録した前年同時期に近い水準で推移している。また関西では、神戸製鋼の所有する神戸石炭火力発電所4号機(出力65万kW)が4日に計画外停止した。市場関係者は「神戸製鋼が電力供給できない分、西日本の電力が引き締まれば、西日本で電力供給を行っている企業がLNGなどの燃料をスポットで購入する可能性がある」と述べている。加えて冬場が近づいているため、暖房需要の増加を見込む向きも少なくない。「寒波襲来にLNGプロジェクトのトラブルが重なれば相場が急騰するリスクがある」(日本商社)。日本は2021年12月に例年より早く寒波に見舞われたが、マレーシアのビントゥルプロジェクト(年産2,930万トン)や豪ゴーゴンプロジェクト(同1,560万トン)など少なくとも4カ所のLNGプロジェクトが生産不調に陥ったことで需給ひっ迫感が台頭し、期近着の相場は1カ月で10.00ドル以上急騰していた。
【FOB中東・DES中東・DES南アジア】 インド国営ガス会社(GAIL)が10月9日応札の締め切りでスワップ入札を開示した。GAILはこの入札を通して、12月9日~1月31日インド着計2カーゴをDESベースで購入する代わりに、12月9日~1月10日米国積み計2カーゴを欧州向けのDESベースで販売する。GAILはいずれのカーゴも蘭天然ガス(TTF)市況リンクでの応札を要望している。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 英トレーダーのJEエナジーは9日応札の締め切りで、FOBナイジェリアベースの販売入札を開示した。対象は11月11~15日ボニー島プロジェクト(年産2,200万トン)積みの1カーゴ。JEエナジーはDESベースでの応札も受け付ける。応札価格の有効期限は10月10日。
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