LPG=10月6~10日:米国プロパンの余剰感で日本着は軟調
CFR極東:
先週の極東着市場は、日本着が供給余剰感から弱含んだ。9日時点でJapan Indexのプロパンは473.25ドルと前週比27.50ドル、ブタンは499.25ドルと同17.50ドルそれぞれ軟化した。11月前半着で米国産カーゴを抱える売り手が多く、相場は下押しされた。極東着市況が期先高を形成し、買い気も弱かったことから、10月後半から11月着の販売へと切り替えた売り手が多かったもよう。一方、中国プレーヤーは非米国産カーゴの買い付けを優先するとみられ、米国産カーゴの向け先は日韓に限られている。中国着は堅調な需要を背景に上昇した。China Indexはプロパンが541.50ドルと前週比23.00ドル、ブタンが545.50ドルと同33.00ドルいずれも前週から切り上がった。CP予想上のプロパンとブタンの格差縮小から、ブタンの上げ幅はプロパンを上回った。国慶節休暇明けに複数のプロパン脱水素(PDH)プラント操業プレーヤーが買い付け入札を通じて11月着を物色した。
FOB中東:
11月の中東積みプロパン/ブタン各2万2,000トンの商談水準は11月CP対比フラット~8ドルのプレミアムと前週から変わらなかった。中国プレーヤー勢が国慶節で8日まで休暇だったことなどから市場の動きが鈍かった。カタールエナジーがこのほど実施した11月積みの販売入札はインドの国営石油会社が1カーゴを落札したとの情報が伝えられた。また、インドシアのプルタミナが2026年のターム買い付け入札の応札を9日に締め切った。対象はプロパン/ブタン各2万2,000トン各月1カーゴだった。一部の市場関係者によると、アブダビ産ガス傘下の中東トレーダー1社がFOB中東ベースで落札した。
日本国内:
10月渡しの陸上京浜はプロパンが78,200~79,000円、ブタンが79,700~80,000円といずれも前週から大幅下落した。プロパンの商談では依然として売り込みが強い。川崎基地出しでは、有力ディーラー1社が78,000円台前半~79,000円で購入したもよう。大手元売り1社は78,500円で販売打診中であり、複数の卸業者がこれにマージンを上乗せして転売しているようだ。78,500円を下回る売唱えも聞かれており、78,000円台前半で販売可能な売り手も少なくないとみられている。