電力=10月6~10日:電力スポットは続伸、設備トラブルで西が上げ幅拡大
10月6~10日受け渡しの電力スポット価格24時間の週間平均は、前週から東日本(50Hz)および西日本(60Hz)ともに続伸。とくに西日本の上げ幅が大きくなり、西高東低となった日もあった。西日本では、30度前後と夏の気温が続いたなか、関西や四国の火力発電が計画外停止したことで、需給が引き締まった。電力スポットは極端な価格上昇には至らなかったものの、8日の時間前市場では夕方に100円まで上昇したほか、同日のインバランス料金は北陸、関西、中国、九州の各エリアで16時~16時30分に121.57円まで暴騰する動きがみられた。 東西の主要エリアである東京と関西の電力スポットの24時間平均の値差を見ると、6日が1.38円、7日が0.49円、9日が1.64円、10日が1.57円の東高西低となり、8日が0.27円の西高東低となった。
10月第2週の燃料相場は下記のとおり。 北東アジア市場のLNGスポットは、10月9日時点で期近の25年11月着品がmmBtuあたり11ドル台前半となり、前週末時点(10月3日)から0.45ドル程度の上昇となった。欧州の天然ガス相場が上昇したため、北東アジア市場のLNG相場もつれ高となった。北東アジア市場では、引き続き買い気に乏しい展開となった。経済産業省が10月8日に公表した、10月5日時点の発電用LNGの在庫は187万トンとなり、前週から4万トン増えた。前年10月末時点の184万トンを上回ったが、過去5年平均の203万トンは下回った。 豪ニューキャッスル積みの一般炭相場は、10月9日時点の25年10月積みがトンあたり104ドル台半ばとなり、前週末時点から0.5ドル程度の下落となった。 原油相場は、10月9日8時時点でWTIの25年11月物がバレルあたり61ドル台半ば、ブレントの25年12月物が65ドル台前半の水準で推移している。WTIおよびブレントともに、前週から0.7ドル程度の上昇。石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟国で構成さえる「OPECプラス」は、11月に日量13万7,000バレルの追加増産を実施することで合意したものの、10月と同じ増産規模にとどまり、大方の市場予想を下回った。また、米エネルギー情報局(EIA)が8日に発表した週間の石油統計では、ガソリンや中間留分の在庫が減少し、原油先物の強材料となった。
週を通じた実勢高値は20.00円となり、8日に北陸、関西、中国、九州、9日に北海道でそれぞれ付けた。一方、実勢安値は6~7日、10日に四国で付けた0.01円だった。 エリア別の24時間の週間平均は、北海道が前週比で1.25円安の9.92円、東北が同0.18円安の10.87円、東京が同0.37円高の12.76円、中部が同0.91円高の12.05円、北陸、関西が同1.14円高の11.80円、中国が同1.35円高の11.53円、四国が同1.65円安の9.09円、九州が同1.09円高の11.16円だった。 売買入札量の週間平均は、売り札が前週から6.9%減の10億8,089万2,860kWh、買い札が同5.7%増の11億5,357万9,560kWhとなった。約定量の週間平均は、同0.9%減の7億6,800万1,000kWhだった。
10月6~10日の9エリアの電力需要は、111億4,908万9,000kWhとなり、前週9月29日~10月2日の111億3,027万5,000kWhから0.2%増加した。曜日を合わせた前年の10月7~11日の需要実績は108億5,035万4,000kWhで、増加率は2.8%となった。
10月6~10日の東京商品取引所(TOCOM)の約定は下記表のとおり。
10月6~10日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。
10月第3週の電力スポットは、第2週から大きな変化はなさそうだ。最高気温は、西日本で30度前後、関東が25度前後で推移する見通し。東北は20~25度未満、北海道は札幌で20度弱の見通しだが、北海度の最低気温は10度未満の地域が多く、旭川では週後半に5度程度まで低下するため、夜間の暖房需要が意識されそうだ。天気は一定の晴れ間が予想されるものの、雲が多いため、太陽光発電は潤沢という状況にはならないとみられる。一部の市場場関係者からは、「来週の気象動向は大きな変化がないため、価格も設備トラブルなどがない限り、大きな値動きはないとみられる。東京のベース価格は13円前後、関西は1円程度安い水準を想定している」(新電力の市場取引担当者)との見方が示された。
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