原油・コンデンセート=10月20~24日:中東産原油相場が急騰、米制裁の影響で
|
12月積みアッパーザクム原油の市況連動相場が強含んだ。ドバイ市況に対するプレミアムは、1.67~1.72ドルへと切り上がった。米国が10月22日、ロシアのロスネフチとルクオイルを対象とした制裁を発表した影響を受けた。米国のトランプ大統領は、ウクライナでの和平交渉を迫ることを狙っており、この制裁の影響でロシア産原油の代替需要がアッパーザクム原油など中東産原油に集まるとの見方が台頭。これまで需給の緩和を背景に下落基調で展開していた中東産中質原油の相場が大きく切り上がった。また、この影響は中東産軽質原油にも波及しており、「軽質原油の相場も急激に切り上がっている」(シンガポールのトレーダー)。
【アフリカ/欧州/ロシア/アメリカ】 北海産原油の商いでは、中重質原油の需給が緩和した。アンゴラ産原油など西アフリカ産の需要後退による荷余りが、大西洋圏全体に波及。英BPは11月積みノルウェー産のヨハンスヴェルドラップ原油をDTDブレント指標に対して2.00ドルのディスカウントで販売した。買い手は仏トタルエナジーズ。一方、軽質原油の需給も緩和しつつある。競合油種となる米国産軽質原油は船運賃の上昇を背景に、長距離輸送となるアジア向けなどの需要が後退。これが大西洋圏内での需給緩和につながっている。イタリアのエニが、11月中旬積みのフォーティーズ原油をDTDブレント指標に対して15セントのディスカウントで販売した。買い手は米エクソンモービル。
【南方】 10月16日に火災が発生したインドネシアのTPPIのツバン製油所(日量10万バレル)では操業が再開された。ただ、ツバン製油所の稼働率は、10月20日時点で73.2%と、14日時点の90.0%から引き下げられている。現時点で、インドネシア国営プルタミナが購入済みのコンデンセートを転売するなどといった動きは見られない。今後のコンデンセートの買い付け動向に関心が寄せられた。
|
|
|



