電力=10月20~24日:電力スポットは東日本が続伸、北海道で80円など
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10月20~24日受け渡しの電力スポット価格24時間の週間平均は、前週から東日本(50Hzが続伸した一方、西日本(60Hz)が反落した。特に東日本では、北海道の上げ幅が大きくなり、東日本全体にも波及した。北海道では、急速に寒さが強まり、降雪にも見舞われるなど暖房需要が増加。北海道東北間を結ぶ北本連系線で作業が続き、本州の電気が流れにくくなっているなか、石狩湾LNG火力など停止中の火力発電も多く、需給が急速に引き締まった。23日には、北海道エリアの19時30分~20時に80.00円を付けるなど、同日の北海道の平均価格は23.48円に達した。また、東京でも千葉のLNG火力3基が20~24日の予定で停止した影響などから、22日の東京エリアの平均価格は18.66円に上昇した。対照的に、西日本では夏の暑さがようやく和らいだことや太陽光発電に恵まれる日も多かったため、価格は軟化傾向となった。 東西の主要エリアである東京と関西の電力スポットの24時間平均の値差を見ると、20日が1.57円、21日が3.26円、22日が6.49円、23日が4.73円、24日が3.87円の東高西低となった。
10月第4週の燃料相場は下記のとおり。 北東アジア市場のLNGスポットは、10月23日時点で期近の25年12月着品がmmBtuあたり11ドル台前半となり、前週末時点(10月17日)から小幅安となった。欧州の天然ガス相場が軟調に推移したため、北東アジア市場のLNG相場もつれ安となった。経済産業省が10月22日に公表した、10月19日時点の発電用LNGの在庫は213万トンとなり、前週から20万トン増えた。前年10月末時点の184万トン、過去5年平均の203万トンをいずれも上回った。 豪ニューキャッスル積みの一般炭相場は、10月23日時点の25年10月積みがトンあたり104ドル台前半となり、前週末から1ドル弱の上昇となった。 原油相場は、10月24日12時時点でWTIの25年12月物がバレルあたり61ドル台半ば、ブレントの25年12月物が65ドル台半ばの水準で推移している。WTIおよびブレントともに、前週から4ドル強の上昇。米原油在庫の減少や、米国や欧州がロシアに対する制裁強化に動いたことが強材料となった。
週を通じた実勢高値は、23日に北海道で付けた80.00円となった。高値で80.00円を付けたのは、昨年12月13日の中部エリア以来。一方、実勢安値は24日に四国で付けた1.00円だった。 エリア別の24時間の週間平均は、北海道が前週比で2.93円高の18.18円、東北が同0.27円高の13.73円、東京が同0.51円高の14.59円、中部が同2.43円安の11.09円、北陸、関西が同3.24円安の10.61円、中国が同3.26円安の10.59円、四国が同0.13円高の10.12円、九州が同3.14円安の10.58円だった。 売買入札量の週間平均は、売り札が前週から4.7%増の9億6,313万3,710kWh、買い札が同6.9%減の9億3,379万2,910kWhとなった。約定量の週間平均は、同3.7%減の6億9,623万7,710kWhだった。
10月20~24日の9エリアの電力需要は、104億9,408万8,000kWhとなり、前週10月6~10日の107億61万7,000kWhから1.9%減少した。曜日を合わせた前年の10月21~25日の需要実績は106億864万9,000kWhで、減少率は1.1%となった。
10月20~24日の東京商品取引所(TOCOM)の約定は下記表のとおり。
10月20~24日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。
10月最終週の電力スポットは、第4週に比べ軟調に推移しそう。北海道など北日本を除き晴れ間の日が続く見通しのため、日中時間帯は太陽光発電に恵まれ、価格を圧迫する材料になるとみられる。ただ、引き続き停止中の火力発電が多いため、太陽光発電が減少する夕方以降は太陽光の需給ギャップの影響で、昼間価格全体では下げ幅も限定的になりそうだ。また、北海道では第4週に比べ気温が上昇する見通しのため、極端な高値を付ける動きにはならないとみられる。一部の市場場関係者からは、「気象動向から来週は東西ともに上値が抑えられるとみられる。発電設備の計画外停止などがなければ、ベース価格は東京が12~13円、関西が10円前後で推移するとみている」(新電力の市場取引担当者)との見方が示された。
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