LPG=10月27~31日:CPのプロパン/ブタン格差は15ドル
CFR極東:
先週の極東着市場は、プロパンが堅調な需要を背景に強含んだ一方、ブタンは11月CPのプロパン/ブタン格差が15ドルで確定し、12月CPにおいてもプロパン/ブタンの格差が拡大するとの予想を受け下落した。30日時点でJapan Indexのプロパンは516.50 ドルと前週比23.50ドル高、ブタンは537.50ドルと同8.50ドル高となった。日本着では、トレーダーを中心に12月着プロパンの買い気が高まった。ただ、11月末着でフルプロパンを抱えていた売り手が、買い手を確保できずに12月前半着での販売に移行するとみられ、売りものは十分みえている。China Indexはプロパンが553.50 と前週比13.00ドル上昇した一方、ブタンが536.50 ドルと同2.00ドル下がった。30日に米中間の首脳会議が行われ、11月10日が期限だった双方の追加関税の一時停止は、1年間延長することで合意した。
FOB中東:
11月の中東積みプロパン/ブタン各2万2,000トンの商談は11月CP確定の直前期だったため、様子見ムードが強かった。サウジアラムコは10月30日に11月CPについて、プロパンを475ドル、ブタンを460ドルで通達した。前月からプロパンが20ドル、ブタンが15ドルそれぞれ下落した。プロパンについては、市場の予想よりもやや割高だったとの見方が強かった。米国積みブタンが割高なため、極東着のブタン付きカーゴの需給にタイト感が出ている。このため、11月CPのプロパン、ブタン格差はなくなるとの見方が強かった。しかしながら、結果的に格差は前月から15ドルに縮まるにとどまった。
日本国内:
11月渡しの陸上京浜はプロパンが78,500~79,500円、ブタンが77,500~78,500円となった。11月CP確定前は、卸業者がプロパンを79,000円台で売り唱えていたという。一方、11月CPが確定した後は元売り勢がスポット供給価格を提示していないため、商談の進展は鈍かった。一部の市場関係者は、12月に会計年度末決算を控えた元売り1社が積極的にスポット販売を推し進めるとみている。この元売り1社は10月渡しについても月後半から売り込みを強めていた。これに対して、12月に決算を控えた他の元売り1社はスポット販売に消極的なようだ。同社は海外向けの販売を強化しているとの見方もある。



