電力=11月10~14日:電力スポットは反発、分断動向が強材料に
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11月10~14日受け渡しの電力スポット価格24時間の週間平均は、前週から東日本(50Hz)および西日本(60Hz)ともに反発。東日本は小幅な上昇となり、前週から大きな値動きはなかった。西日本では分断動向が強材料となった。新たに北陸関西間の分断が増えたことで、関西以西の割安な電気が中部や北陸向けに流れにくくなったため、中部および北陸の上げ幅が大きくなり、西日本全体を押し上げる要因となった。 東西の主要エリアである東京と関西の電力スポットの24時間平均の値差を見ると、10日が1.32円、11日が3.74円、12日が2.93円、13日が1.81円、14日が2.17円の東高西低となった。
11月第2週の燃料相場は下記のとおり。 北東アジア市場のLNGスポットは、11月13日時点で期近の25年12月着品がmmBtuあたり11ドル台前半となり、前週末時点(11月7日)とほぼ同水準だった。引き続き、欧州の天然ガス相場の値動きに連動した。北東アジア市場の需要家の買い気は鈍く、冬季物についてはすでに調達済みという向きが多い。経済産業省が11日に公表した、11月9日時点の発電用LNGの在庫は196万トンとなり、前週から2万トン減少した。前年11月末時点の172万トンを上回ったが、過去5年平均の205万トンを下回った。 豪ニューキャッスル積みの一般炭相場は、11月13日時点で25年11月積みがトンあたり109ドル台後半となり、前週末から0.5ドル程度の下落となった。 原油相場は、11月14日15時時点でWTIの25年12月物がバレルあたり59ドル台半ば、ブレントの26年1月物が63ドル台後半の水準で推移している。WTIおよびブレントともに、前週から0.25ドル程度の下落。週前半は、米政府機関の再開にめどが立ったとの報道が強材料となり、原油先物は強基調で推移した。ただ、石油輸出国機構(OPEC)が12日に公表した月報で、26年に世界市場が日量2万バレルの小幅な供給過多に直面するとの見通しを示したことで、原油先物は売りが膨らみ、週後半も前週を下回る水準で推移した。
週を通じた実勢高値は、12日に東日本3エリアとシステムプライスで付けた18.52円となった。一方、実勢安値は0.01円となり、10日に四国と九州で、11日に四国で、14日に九州でそれぞれ付けた。 エリア別の24時間の週間平均は、北海道が前週比で1.76円安の11.40円、東北が同0.06円安の11.18円、東京が同0.85円高の12.95円、中部が同2.09円高の12.66円、北陸が同2.72円高の12.52円、関西が同0.76円高の10.56円、中国が同0.91円高の10.56円、四国が同0.68円高の8.80円、九州が同0.94円高の10.00円だった。 売買入札量の週間平均は、売り札が前週から0.9%減の10億4,916万2,360kWh、買い札が同7.5%減の9億7,272万4,780kWhとなった。約定量の週間平均は、同0.7%増の7億2,662万7,940kWhだった。
11月10~14日の9エリアの電力需要は、112億538万kWhとなり、前週11月3~7日の106億4,387万2,000kWhから5.3%増加した。曜日を合わせた前年の11月11~15日の需要実績は106億2,117万kWhで、増加率は5.5%となった。
11月10~14日の東京商品取引所(TOCOM)の約定は下記表のとおり。
11月10~14日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。
11月第3週の電力スポットは、第2週から大きな変化はなさそうだ。北日本を除き過ごしやすい気温が続く見通しで、空調需要は引き続き鈍化傾向になるとみられる。週半ばには、関東以西で最高気温が13度程度にとどまる見通しのため、暖房需要が入る可能性もあるが、電力スポットに対して警戒の声は聴かれない。また、天気は晴れ間の日が多いため、太陽光発電に恵まれる見通しとなっている。第3週の価格見通しについて一部の市場関係者は、「東京は13円台前半から半ば程度、関西は東京から1円から2円程度安い水準になるとみている。第2週から大きな変化はないだろう」(新電力の市場取引担当者)との見方を示した。
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