LPG=11月17~21日: サウジアラムコのプロパン供給がタイト
CFR極東:
先週の極東着市場は、日本着、中国着とも上昇。トレーダー勢による買い気の強さを受けた。20日時点でJapan Indexのプロパンは509.50ドル、ブタンが530.50ドルといずれも前週比4.00ドル高となった。China Indexはプロパンが563.50ドル、ブタンが546.50ドルといずれも前週比5.50ドル上がった。千葉着プロパン2万3,000トンや中国向けプロパン4万6,000トンの買い戻し需要を抱えるトレーダー勢が積極的にスポット玉を物色し、相場が切り上がった。ただ、これらトレーダー勢が買い付けを追えると全体的に買い気が減退。極東輸入業者も12月後半着までの需要は満たし終えたとみられ、相場の上げ幅は抑えられた。ブタンの商談では、日本の石化1社が買い付け入札を通じ、2026年1~3月分のブタンを日本の元売りから購入していたことが明らかになった。同社は11~12月着においてもブタンを確保済みとみられる。
FOB中東:
サウジアラムコが17日に12月積みのアクセプタンスを通達。ターム顧客に対しプロパンの5%のマイナストレランスを課したと伝えられた。さらに、中国プレーヤー1社とトレーダー1社がアラムコから引き取る予定だった12月積みターム玉がキャンセルされたとの情報も寄せられた。加えて、クウェート積みでも12月積みのターム玉のキャンセルがあったと伝えられるなど、12月中東積みの供給が引き締まっている。このなか、以前に買い付け入札を通じて12月積みプロパン/ブタン各2万2,000トンを物色していた米メジャー1社が、中東トレーダーから同荷姿を12月CP対比30ドル前後のプレミアムで買い付けたと伝えられている。
日本国内:
11月渡しの陸上京浜はプロパンが76,700~77,300円、ブタンとも76,900~77,400円といずれも前週から下落した。売り手が残っており、一部の卸業者が売唱えを切り下げて販売に動いていた。川崎出しの売唱えはプロパンとブタンともに76,000円台半ば~後半で聞かれた。一方、元売り各社の12月仕切り価格が前月から上昇するとの見方から、仮需の発生が期待されている。しかし、現時点では大半の買い手が追加調達を必要としていないようだ。週明けには元売り勢が12月渡しのスポット価格を提示するとみられている。



