LPG=11月24~28日: 極東着急伸、米国産カーゴの到着遅れで
CFR極東:
先週の極東着市場では、需給の引き締まりやCP予想の上方修正を受け、日本着、中国着ともに相場が上昇した。11月27日時点では、プロパンとブタンのJapan Indexは前週から27.50ドル、56.50ドル上昇し、それぞれ537.00ドル、587.00ドルとなった。プロパン、ブタンのChina Indexはいずれも前週から13.00ドル切り上がり、それぞれ576.50ドル、559.50ドルとなった。プロパンは、日本や韓国の輸入業者、トレーダー、石化メーカーなど多くの買い手が1月着のプロパン単体カーゴを購入しようとしていたが、供給が乏しかった。米国積みカーゴを抱えた一部の売り手は東南アジアやインド向けにカーゴを販売するため、パナマ運河ではなく喜望峰経由で自社の船をアジアに向けることを検討していた。これらのカーゴが極東に仕向けられた場合は到着時期が遅れ、1月着の供給はタイトになるとみられている。ブタンカーゴについては、米国のブタン価格がプロパンよりも割高で、極東における売り手がほとんどみられない。こうしたなか、ブタンカーゴの商談水準はプロパンカーゴを大きく上回っていると、一部の市場関係者はみている。
FOB中東:
中東からの供給が限られているようで、スポット市場に売り物がみられなかった。クウェート産ガス1社はターム顧客に対し1月積みターム玉のプロパン/ブタン比率の変更を求めたようだ。極東の輸入1社はプロパンリッチからブタンリッチへのカーゴの変更を要請されたもよう。サウジアラビアからの供給のみならず、クウェートからの供給もタイトになるとみられている。需要面では、欧トレーダー1社が12月上旬および1月上旬積みの同率玉を探していたが、オファーは返されなかったようだ。
日本国内:
12月渡しの陸上玉取引はプロパン、ブタンとも81,000~82,000円で開始された。地域間格差は見られず、卸業者間の売唱えは各地域で81,000円~82,000円台前半で聞かれる。霞、知多や堺出しでは81,000~81,000円台半ばでプロパン少量の取引が成立。だが、12月CPの動向を見極めようとするプレーヤーが多く、全体的に薄商いだった。一方、関東エリアを中心に陸上配送への不安が広がっている。昨年の物流逼迫を受けて需要家が先行でオーダーを入れていることから、運送会社によってはすでに12月下旬以降の配送スケジュールが埋まりつつあるという。これに加え、大手運送会社が荷主に対し12月からの大幅な値上げを要求し、交渉が続いていると伝えられている。この交渉次第では同運送会社の配送量が減り、関東エリア全体の配送能力の弱体化に繋がる可能性があるとの指摘も聞かれるなど、警戒感が強まっている。



