LNG=3月23~27日:北東アジア着相場は20ドル超、豪州で生産トラブル
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DES北東アジア相場は27日、5月前後半着が20.00ドルをわずかに上回る水準に切り上がった。イランと米国の停戦交渉に対する不透明感が強まり、欧州の天然ガス市況が原油市況につられて上昇したことを受けた。豪州のLNGプロジェクトが生産停止したことも北東アジア着相場に上昇圧力を加えた。5月後半着と6月前半着の相場格差はバックワーデーション幅が20セントと、前日から30セント縮小した。「期近はホルムズ海峡封鎖の影響がほぼ織り込まれ、あまり反応しなくなってきているのに対し、6月以降も供給逼迫が続く可能性が意識されはじめた。手前で在庫消化が進めば、6月以降で在庫補充の必要性が生まれるとの見方も浮上した」(邦アナリスト)。 豪州では熱帯低気圧ナレル(Narelle)が26日、同国西岸に接近。米シェブロンは安全確保のため、ゴーゴンプロジェクト(年産1,560万トン)とウィートストーンプロジェクト(同890万トン)の操業を一時的に停止した。シェブロンは安全が確認されしだい操業を再開する見込みだが、中東産LNGの供給が減少するなか、豪州産LNGの生産トラブルが重なったことで、相場は反発している。スポット市場では、英シェルが26日に5月1~3日着を欧グレンコアから19.67ドルで調達した。5月着はシェルが調達に積極的な一方、4月着を大量に買い付けていたグレンコアは売り手に転じている。 日本向けでは、複数の市場関係者が発電用LNGの需要動向を注視している。卸電力取引所(JEPX)における27日渡しの24時間平均価格は、キロワット時あたり14.08円を記録した。2日続落したものの、3月中旬以降は同10円以上を維持しており、邦アナリストからは「高騰が始まっている」との感想も漏れた。気象庁が24日に発表した4~6月の3カ月予報では、全国的に気温が平年を上回る確率が60~70%と、極めて高く予想されている。「日本は4月の暖房需要が早々に消える一方、6月から冷房需要が生じる可能性がある」(中国需要家)。 一方、日本政府は近く石炭火力発電所の稼働率を引き上げる方針だ。CO2を多く排出する旧型の石炭火力を、新型の石炭火力と同等の稼働率で運転する。これを受けて、年間で約50万トンのLNG消費量を削減できると市場関係者は指摘。4月に営業運転を再開する予定の柏崎刈羽原子力発電所6号機(出力135万6,000kW)は、年間100万トン以上のLNG需要を削減できると見込まれる。カタールとアラブ首長国連邦(UAE)からの年間輸入量は約400万トンとみられるが、石炭火力と柏崎刈羽6号機の再稼働で、少なくとも計150万トン分のLNG消費を抑えることができると市場関係者は試算する。 一部の北東アジア需要家が期先着の確保に動き始めた。台湾中油(CPC)は26日、DESベースで実施していた買い付け入札の応札を締め切った。対象は7~9月着の各月1カーゴ。CPCは期近着の需要を一通り満たしたと伝えられていたが、台湾は中東産LNGへの依存度が高いため、期先着を早めに購入する意向のようだ。
【FOB中東・DES中東・DES南アジア】 中東では国営オマーンLNGが26日応札の締め切りでDESベースの販売入札を開示した。対象はオマーンプロジェクト(年産1,140万トン)出しの5月前半に北東アジア、東南アジアあるいは、南アジアに到着する1カーゴ。市場関係者からは同プロジェクト出しの供給が早晩減少するとの可能性が指摘されていたが、現時点で週ごとの出荷量は2月下旬と比べ1~2万トンの減少にとどまっている。 南アジアは買い意欲が旺盛だ。インド国営石油(IOC)は25日応札の締め切りで実施したDESベースの買い付け入札で、4月6~8日、10~12日、14~16日着のいずれか1カーゴを17.65ドルで調達した。インド国営ガス会社(GAIL)も25日に応札を締め切ったDESベースの買い付け入札で、4月1~20日着1カーゴを17.75ドルで調達した。バングラデシュ向けの需要も強い。国営ルパンタリタプラクリティックガス(RPGCL)は、25日締めで実施したDESベースの買い付け入札を通じて、4月24~25日着と4月27~28日着の計2カーゴを仏トタルエナジーズからともに19.77ドルで購入した。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 米国では、米シェニエールがコーパスクリスティプロジェクト(年産最大2,500万トン)の第5液化系列(同140万トン)を近く稼働させる方針を明らかにした。同プロジェクト向けの原料ガスの供給は今週に入ってから増加傾向で、25日には日量25億立方フィート以上の水準まで増加したようだ。 在庫の積み増しが始まる欧州着のスポット商談は活況を呈している様子。4月着カーゴが4月限の蘭天然ガス(TTF)市況に対して44~46セントのディスカウントで成約されたほか、5月前半着では、買唱えが5月限TTF市況に対して40~50セントのディスカウントで聞かれたのに対し、売唱えが同市況に対して30~40セントのディスカウントで返された。 南米では、コロンビア国営カラマリLNGが20日締めの買い付け入札を通じ、期近着1カーゴを調達していたようだ。コロンビアでは国内のガス不足を背景に、LNGの輸入強化が急務となっている。
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