バイオバンカー市況=バイオディーゼル価格続伸、ロッテルダム港で代替燃料として販売量拡大 26日
バイオ混合率最大30%のVLSFO価格の気配値は、ロッテルダム渡しで692.00~752.00ドル、バイオ混合率最大24%のVLSFO価格の気配値は、シンガポール渡しで712.00~772.00ドルといずれも先週から強含んだ。世界の穀物価格が上昇傾向にあり、バイオディーゼル価格も上昇している。 ロシアは17日、黒海を経由するウクライナ産穀物の輸出に関する合意から離脱を表明した。この影響で、可食油価格並びに穀物の価格が上昇。また、需要拡大からバイオディーゼルの運搬コストが高まったことに加え、原油高を受けてVLSFO価格も上昇している。ただし、シェア拡大を目的に売り手が唱えを引き下げて販促を仕掛けているため、上げ幅は限定的だ。 リムバンカーオイルレポートによると、26日時点の硫黄分0.5%以下のVLSFO価格はロッテルダムで564.00~567.00ドル、シンガポールで592.00~595.00ドル。 既報のとおり、黒海を経由するバルカーやタンカー船の減少に加え、GHG削減を目的に多くの船舶が減速航海(スロースティーミング)を実施しているため、燃料油の調達量が減少しているようだ。一方、環境規制の強化に伴い、バイオバンカーやLNGバンカーの調達量が増加傾向にある。市場関係者によると、EU-ETSならびにCIIの導入と普及の影響が大きく、今後も代替燃料の需要は拡大するとの見方が強い。 メタノールバンカーの調達にあたり、シンガポール港では、バンカーとしてのメタノール供給や艀の運用テストを実施する。同港では年末からメタノールバンカーを通常商品として販売することを目指している。市場関係者によると、代替燃料のシェアが拡大するなか、各供給業者は既存のバンカー販売のみでは収益が十分ではないとみている。コストもかさむが、買い手にとって多様な燃料油の選択ができる環境整備が必要という。
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