海外天然ガス市況=NBPとTTFの価格差が大幅拡大
欧州では蘭天然ガス相場(TTF)の高騰が著しく、英天然ガス相場(NBP)との格差が大幅に拡大している。ロシア軍がウクライナに侵攻する前の2月下旬時点で、当限価格はNBPが約29.00ドル、TTFが26.00ドル前後とTTFとNBPは連動性が高かった。しかし、5月13日時点でNBPが約18.00ドルであるのに対し、TTFは約30.00ドルとTTFの方が1.5倍以上NBPより高値となった。このNBPとTTFの格差はロシア産天然ガスへの依存度が影響しているようだ。
英国やフランスなどNBPを指標に天然ガスを取引する地域は欧州の主要なLNG基地が集中しているため、ロシアからの天然ガス供給が減少しても代替でLNGを調達しやすい。
一方、ドイツやオーストリアなどTTFを指標としている地域は、LNG基地の配備が進んでおらず、LNGの受入れ量は限られる。このためTTFはロシア産天然ガスの供給懸念が大きく反映される結果となった。
現在ドイツでは、浮体式LNG貯蔵再ガス化設備(FSRU)を設置することでLNG受入れ設備の拡充を進めているが、稼働開始に時間を要するため、ロシア産天然ガスへの依存はまだまだ高い。
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