シンガポール=グレンコアがバンカー供給ライセンス2カ月停止、粗悪油供給で
シンガポール港湾局(MPA)は3日、バンカー供給業者のグレンコアに対し8月18日から2カ月、バンカー供給ライセンスを停止すると発表した。同社が3月以降、塩素系有機化合物の混入値が高い規格外品の高硫黄重油(HSFO)を供給していたことを受けた。
MPAによると、同社は3月末に24隻に対して規格外品を販売。このうち少なくとも3隻に燃料ポンプやエンジンのトラブルがあったという。MPAはグレンコアに対し、燃料油の品質向上を図る社内体制を構築するよう求めている。
ただ、市場関係者によると、グレンコアはライセンス停止中でもカーゴ売買は可能と指摘。このためシンガポールでバンカーの過度な供給逼迫にはならないと見られている。2021年の同社のシンガポールでのバンカー販売量は6位。09年末にケムオイルを買収するなど、バンカリング基盤を強化している。
シンガポールでは3月、ペトロチャイナが同じく粗悪品を供給していたものの、MPAの検査後の3月19日までに規格外品の供給を停止したため、処分の対象にならなかった。
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